城戸真司の黒日記
【黒城戸 ◆vT1chVWsjE】
【第06日目】

演技ついでにロンもだましてやろうと考え、ドラグレッダーには断食の修行をさせることにした。
たまに空腹に耐え切れず俺を威嚇してくるが、カニとは脳の大きさが違い これが演技のための
絶食期間なのだと判っているため必ず寸止めで引き返していく。 これがもし榊原のヘボ野郎なら
こうはいかないだろう。
しかし事態を知ったロンが余計な行動にでた。
巨大コウモリを踊らせることで悪徳弁護士にデッキを掲げさせ、それをエレベーターで降りてくる
俺の目の前につきださせたのだ。
しかも反対側のエレベーターからはあの強面秘書が顔をみせているではないか。
バカが。
こうなってしまったら俺も魂の抜けたようなツラはしていられない、俺はタチの悪い八百長に気づか
されたことになってしまった。 マヌケな善人でいる条件を失ってしまったのだ。
血の気の多い連中だ、このままでは最悪の場合ライダーバトルに持ち越されてしまう。
だが今の俺は新米ライダー。 榊原の最弱デッキを引きつぐ、いってみればレベル1の勇者だ。
いまグリンロボコップと決闘となると、どう考えてもこちらの分が悪い。
あのまま弁護士を油断させておいて、奇襲の闇討ちをしてしまえば楽に倒せたであろうに。
まったくロンは余計なことをする。
それだけならまだよいかもしれない。 俺の懐にはナイフやスタンガンなど対人凶器が満載して
いるので、人間態に対する強攻策で何とかできただろう。
……だがバカロン野郎が、武術使いの秘書まで呼んでくるんじゃねーよ。
変身したら蜂の巣、変身しなかったらサンドバック。
絶体絶命のピンチに陥った俺は、一か八かで場の雰囲気を壊すことによる命の危機回避に挑んだ。
秘書の両手を封じ込め、泣き崩れるように膝を落とす。 「生きてた……生きてたんだぁ」
鼻水をたらし、心底安心しきったような声をだし縋り付く俺。 嗚呼なさけない。

俺は武術使いの両手を握り潰してやろうと目論むが、握力が足りず ビクともしない。弁護士があきれた
様な顔で去っていく、ロンは黙って下を向いている、ただひとつ、勘違いした秘書によってその場は穏便に済んだようだ。

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