あずまんが大王で仮面ライダー龍騎inあずま士郎
【あずま士郎】
【第08話】

傷つきふらふらになりながらも、ちよちゃんは隠れ家の廃墟に戻ってきた
そして戻ってきたちよちゃんを見た令子は、驚いた拍子に積み上げたオイル缶
を崩してしまった
「誰です!」
令子は開き直ったかのようにちよちゃんの前に姿を見せた
「美浜…ちよね…?」
「あなたは確かどこかで…でも刑事さんには見えませんけど…」
令子は携帯電話を取り出し110番を押して連絡しようとした
だが、それを見てちよちゃんは笑みを浮かべながら呟いた
「無駄です…拘置所に送り込んだところで私は何度だって脱獄します」
それを聞いた令子は、携帯電話を切った
「確かにそうね、あなたなら出来るかもね。私知りたいの。」
「私の事を知りたい人がいたなんて驚きです。何が知りたいんですか?」
「あなたがどうやって脱獄したのか?死んだはずのあなたがどうして生きているのか?」



その頃榊は大阪の形見とも言うべきサバイブのカードを見つめながら一人涙を流していた
令子は編集長に報告するため漏れジャーナルに電話していた
「おぅ令子か?どうなんだ美浜の取材は?」
「えぇ…あの…その…」
令子の返事は何かしどろもどろで様子が変だった
編集長は何時もの令子と違う事に何か感づいたのか令子に警告した
「お前、なにかやばい事に首つっこんでんじゃないだろうな?俺達は警察じゃ
ないジャーナリストなんだ。越えちゃならない一線てのがあるんだぞ」
「は、はいそれは分かってます編集長。ところで滝野さんは?」
「昨日からさっぱり連絡無しだ。最近真面目すぎたからその反動って奴かもな?」

ちよちゃんは苦しみ悶えながら、必死に傷の治療をしていた
そして令子が、ちよちゃんの元の戻ってきたときちよちゃんはおもむろに叫んだ
「殴ってぇ!!」
ちよちゃんは鉄パイプを令子の元に放り投げた
「それで…私のお尻を殴って…!!殴るのも殴られるのも好きなんですよぉ…
だから殴って…殴ってぇ!!」
そう言いながら立ち上がったちよちゃんは後ろの壁に向かって頭突きをしてそ
の場に崩れ落ちた
「私知ってるわ、あなたが逮捕された理由。あなたはただイライラするという理
由だけで人を傷つけた。でも、そんな理由で人を傷つけるなんて信じられなくて」
「あなたも同じですね…世の中の人はみんな同じ事を言います」
「あなたのその憎しみの理由は何なの?」
ちよちゃんはおもむろに呟いた
「あなた…泥を啜ったことありますか?私はあります…食べ物が手に入らなかっ
た時なんか…今でも私の口の中には泥の味が残っています!」



忠吉は旧あずま邸に再びやってきた
「ウ〜ワン…(もう、怖いなんて言ってられない)」
旧あずま邸の中を進んだ忠吉はあちこちのガラス戸に貼ってある紙に驚いた
「ワ、ワオン!?(何なんだろう、これ!?)」
「ワオオォ〜ン!キュゥン…(出てきてよ、ご主人様!もうやだよ…)」
ふと、忠吉は窓ガラスの紙に挟まっていた一枚の絵を見つけたのだった

一方令子はちよちゃんのことを聞くためによみの事務所に足を運んでいた
「え!?美浜ちよについて知りたい?」
「えぇ、私知りたいの。美浜の弁護をしたあなたなら詳しいだろうと思って」
「やめましょうよ…あんなガキの事は…あなたはもっとふさわしい人がいるはずだ。
例えばこの水原暦とかね」
「私、あなたと遊んでる暇は無いの!帰るわよ…」
そう言って、令子が背を向けて歩き出そうとした瞬間、よみがちよちゃんつい
て語りだした
「美浜ちよ、19××年生まれ。数年前に実家の火事で両親と2歳年下の妹ち
ゆを失っている」
「火事?」令子はちよちゃんにあった右肩の火傷の痕を思い出した
「ところがだ、美浜は死んだと思ってるようだが妹のちゆは生きている。火事
の後、親戚筋に引き取られたようだ」
「その事を美浜は知ってるの?」
「さあね…私も教えてやる義理は無いしね。さあこれで良いでしょ?次はこの
水原暦の華麗なる過去についてお話しましょ♪」
「悪いけど、私美浜にしか興味ないの。あ、それから妹さんの居場所教えてくれる?」
令子は、ちよちゃんに関することだけ聞くとさっさとよみの家から出ていった。
呆然とするよみ
「みるちー、聞いた…?」「…はい」
「私よりちよちゃんの方が良いんだってさぁ!私より…ちよちゃん…?あぁ〜っ!」



公園にふらりとやってきたともはベンチに腰を掛けると再び落ち込んだ
そんなともの元に榊が近づいてきた
「まだ、落ち込んでるの?」
「当たり前だろ!私はあんたみたいな冷血女とは違うんだ!もういいからほっ
といてくれよ!」
そんなともを見た榊は、ふと口から笑みが漏れた
「な、なんだよ…?」
「以前私が同じ様な事言ってたとき、あなたは私にしつこくまとわりついてき
たわね。でも私は違う、勝手になさい」
そう言って榊がともの側から離れようとした瞬間、ネガゼールが子供達を狙っていた
慌てて立ち上がるともだったが、榊がそれを制した
「私が行く」そう言うと榊は子供を襲おうとしたネガゼールに体当たりし、ナ
イトに変身して後を追った
ナイトは逃げたネガゼールに対し、ライドシューターで体当たりを食らわせた
だが降りた後、斬りかかろうとした瞬間、横からオメガゼールが現れてナイトを攻撃した

するとナイトはサバイブのカードを取り出して、ナイトサバイブにパワーアップした
そして、ダークウイングもダークレイダーへとパワーアップして現れると
ナイトはブラストベントをベントインして竜巻攻撃を2体のモンスターに浴びせた
「カシャ!【ファイナルベント】」
ダークレイダーが背中にナイトを乗せバイクモードに変形するとネガゼールに
光線を浴びせて動けなくした
そして、マントがダークレイダーを包み槍状になって体当たりするとネガゼー
ルはひとたまりもなく爆発した



「榊、大丈夫か?」
ミラーワールドから戻ってきた榊に声を掛けるとも。すると榊の右腕から血が
流れているのが見えた
「大丈夫だ」そう言って榊は足早にその場を立ち去ろうとした
「お、おい待てよ!」ともは榊の後を追うとハンカチを取り出して傷口を縛った
「これで、良し!っと…後でちゃんと消毒しとけよ」
「大丈夫だと言ってるでしょ…大げさね…」
「ちょっと待てって!あ、あのさ…さっきは冷血女とか言ってごめん…私に気を
遣って一人で戦ってくれたんだろ?」
「あなたには借りがあったから…借りは返す…そう言うものだ」
「そりゃそうだけど…それだけじゃないだろ?あんた変わったんだろ?以前のあ
んただったら私に気を遣うなんて考えらんなかったし…」
「私考えたんだ…大阪はライダーの運命を変えようとして私の身代わりになっ
た…でもそれが正しいとは思えない…で、だから…その…」
「何が言いたいの?」
「だから、ライダーじゃなくて人間そのものが変われば戦いが無くなるんじゃ
ないか?って思ったんだ。そうなれば大阪もきっと喜んでくれると思うんだ」
「そんな理想論が通用すると思ってるの?少なくとも私には無理…分かってるでしょ?」
「そりゃ…でもライダーはあんただけじゃ無いだろ?」
「後、よみとちよちゃんか…あなたあの二人が変わると思う?」
「そんな事…やってみなくちゃ、分かんないじゃん!」
「分かる…無理だ…」
「分かんないって!分かんない!分かんない!分かんない〜〜〜っ!!」
と、その時ともの携帯から呼び出し音が鳴った



「…はい!」
ともは不機嫌そうに電話を取った。掛けてきたのは令子だった
「どうしたの?何か興奮してるみたいだけど…」
「アハハ…いや別に…で、何ですか?」
「あなた、今まで何やってたの?全然連絡つかないし…そうそう、美浜について興味深い情報があるの」
「美浜に!?」
「えぇ…実は美浜は数年前に火事で家族を失ってるの…で、美浜は死んでると思ってるけど妹さん実は生きてるって話なの」
令子の言葉に、ちよちゃんは目を見開いて驚いた
「私はこれが美浜の謎を解く鍵になると思ってるの。それで滝野さんにも協力して欲しいのよ」
「わっかりましたぁ!で、私は何をすれば良いんですか?……はい…はい…了解!」
ともは、喜び勇んで携帯を切ると榊が尋ねてきた
「どうしたの?」
「榊!まずはちよちゃんを変えてみせる。美浜ちよをこの手で!」
「ちよちゃんを…?本気なのか…?」「もちろん♪」
だが、榊の言葉はつれないものだった
「あなたはちよちゃんという子が分かっていない…人間のことも何も…」
「何だよそれ…分かってるよ!分かってる!分かってる!分かってる〜っ!」
その時、モンスターの気配が再び現れた
「またかよ…!」と、ともが言うやいなや榊は既に駆け出していた
「あ、おい!今度は私も行く〜!」
二人はガラスの前に立つと変身した
「変身!」「変身!ッシャ!」



二人は、オメガゼールの後を追って駆け出した。するとオメガゼールは壁に向かってジャンプすると
三角飛びの要領で、飛びかかり二人を吹っ飛ばすとそのまま階段の上に飛び乗った
「ハッ!」龍騎も後を追うようにジャンプしたが…ガン!
あえなくオメガゼールのパンチで打ち落とされてしまった
「アダダァ〜〜…」
再びジャンプして逃げようとするオメガゼール。だがそこに何者かが攻撃してきた
「よみ!」
攻撃してきたのはゾルダだった。ギガランチャーをその場に捨てるゾルダ
その時、時間切れを示す粒子化現象が起こった
「あ、あれ?何かいつもより早いな…?」
慌てて、ミラーワールドから戻る3人。
ふと、モンスターカードを見ると何と、契約モンスターの姿が消えてしまったのである。驚愕する3人
すると、あずま士郎が鏡の中に現れて驚くべき事を告げた
「…終わりだ!ライダーの戦いは中止する…!」

【あずま士郎】
【第09話】

【Back】

【あずまんが大王で仮面ライダー龍騎inあずま士郎に戻る】

【あずまんが大王×仮面ライダー龍騎に戻る】

【鷹の保管所に戻る】
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送