あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第12話 : 優衣】

「あなたが優衣さんなんですね・・・」
「私を知っているの?なら答えて!ここはどこなの!それに蓮は一体何処にいったの?」
「・・・パラレルワールドって聞いたことありませんか優衣さん?」
「パラレルワールド?」

「自分の今生きている世界とは違う無数の可能性の世界。ここもそんな世界の1つなん
 です。ここではカードデッキを使って戦う必要も無いしモンスターから人を守る必要
 もありませんでした。皆が自分の生活を生きる、そんな世界でした。それが士郎さん
 が現れたことによって変化してしまったんです。」

「兄さんが何をしたの?」
「士郎さんが、ミラーワールドをこの世界に持ってきたんです。それ以来モンスターが
 現れるようになってしまいました。あなたはその時、モンスターに襲われていたので
 この世界に一緒に来てしまったと思います。ですからこの世界ではあなたの知ってい
 る人は私と士郎さん以外は誰もいないと思いますよ。」
「・・・」

あまりのことに黙り込んでしまう優衣。そんな優衣を見ながら、ちよは鏡の中から榊の
ベットの上にカードデッキを置いた。思わず優衣はちよが置いたと思われる場所に振り
返った。その場所には白鳥を象った絵が描かれている白色のカードデッキがあった。

「真実を知るためにはあなた自身がライダーとなりこの戦いの中に身を投じる必要があ
 ります。何故なら、真実はライダーの先にしか見えませんから・・・」
優衣はカードデッキを手に取ったが、ちよを強く睨みつけてそれを一蹴した。

「ライダーになるなんて・・・絶対に、いや!ライダーは願いを叶えるためにライダー
 同士で戦わなきゃいけないって蓮が言ってた。私は自分の願いのために人を殺すなん
 て出来ないよ・・・真実を知るためにはライダー同士で戦わないといけないの?私は
 唯、兄さんがどうして何も言わずに消えたか知りたいだけなのに・・・」

そう言うと優衣は手に握り締めていたカードデッキを床に落として泣き始めた。そんな
優衣の様子を見てちよは言葉を付け加えた。

「そうでしたか。でもこの世界では、そんなライダーは一人もいませんよ。今は・・・
 でも士郎さんはあなたの為にカードデッキを作ったんですよ」
「私の為に?」
少し落ち着いてきて泣き止んだ優衣はその言葉を聞いては問い返した。

「優衣さんは何も知らないんですね・・・それなら、知らない方が良いと思います。」
「どうして、教えてくれないの?」
優衣の質問に静かな笑みを浮かべながらちよは話を逸らした。

「・・・優衣さん、私はライダーになっても誰も傷つけずに戦いを終わらせる方法を知
 っています。あなたもライダーとなって協力してもらえませんか?」
「それは、本当なの!?」
「ええ・・・その方法はミラーワールドの中心にある、コアミラーを破壊することです。
 そしたらミラーワールドは粉々に砕けてゆきます。」

「コアミラー?」
「モンスターの生まれる場所のことです。コアミラーはミラーワールドを常に移動して
 いますので私1人ではとても見つけれません。だから私はみんなにモンスターから身
 を守ってもらうため、そして一緒にコアミラーを探してもらう為にカードデッキを渡
 しました。」

「でも、その人達がライダー同士で戦い始めたらあなたはどうするの?」
「そんなことはないと信じています。でも、もし万が一そうなった場合・・・私が全力
 で止めます」
そう言うとちよは自身の持っているデッキを優衣に見せた。

「あなたも、ライダーなんだ・・・」
「ええ。私1人だけ見ているわけにはいきませんから。優衣さん、あなたが元の世界に
 戻る方法も私が探しておきますから、その間、デッキを使ってコアミラーを探してく
 ださい。皆で協力してコアミラーを探した方が、効率もいいしそれに・・・早く見つ
 かるほど、モンスターの犠牲となる人も減ってくれます。優衣さん手伝ってください。
 お願いします・・・!」

そう言うと鏡の中からちよは優衣に向かって頭を下げた。そんなちよを見て、優衣は床
に落としたカードデッキを再び拾った。

「・・・わかったわ。あなたの話を信じる。私も、戦いを終わらせる為に戦う!」
「ありがとう、優衣さん・・・」

それを聞いてちよはほんの少し微笑んだかと思うと現れた時と同じようにすぅっと鏡の
闇の中へと消えていった。

(私が仮面ライダーになるなんて・・・。ふふ、蓮が聞いたらきっと驚くわね。そうだ、
 部屋の外に何も言わずに出て行ってくれた女の子を呼ばなきゃ。榊さん、だったかな)

優衣は立ち上がった。途中で茶色の大きな猫に遭遇して驚いたが、そのまま家の外で待
っていた榊に話が終わったことを伝えた。

【次回予告】

『ファイナルベント』
「プリズムベント・・・」
《奪った8つのデッキを返せ・・・》
「・・・」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第13話 : 士郎】

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