あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第14話 : 迷い】

「榊さん、朝だよ。」
次の朝、ソファで眠っていた榊を起こしたのは目覚ましではなく、優衣だった。
「ご飯作ったんだ。一緒に食べよう。」
と彼女は言い、榊はテーブルの上に二人分の朝食が用意されていることに気がつ
いた。

「さ、食べて榊さん。昨日のお礼だから気にしないでね。」
「いただきます。・・・おいしい」
「ありがと。私あっちの世界ではカフェの手伝いをしていたから料理には自信が
 あるんだ。」
「その、ほんとに、おいしいよ・・・」
(榊さんって無口なんだ。何だかお兄ちゃんに似てるな・・・)
「榊さん、私もライダーになったんだ。ほらこれ」

そう言うと優衣は昨日ちよからもらった白鳥をモチーフにした絵が中央に描かれ
ている白いカードデッキをテーブルの上へと置いた。

「あなたもライダーになったんだ・・・」
「うん。・・・榊さんはどうしてライダーになったの?」
「私は・・・ちよちゃんに頼まれたから」

榊は優衣に神楽からデッキを渡された時のことやお互いの友人のことについて話
しながら朝食を食べた。

「・・・そうなんだ。こっちの世界も色々大変なんだ。」
「うん。・・・もう行かなきゃ。」
「そっか、大学生って、言ってたわね。私は、どうしようかな?せっかくだし、
 こっちの世界で散歩でもしてくる」
「気をつけて・・・」

2人は一緒に外へと出た。榊は自らの選んだ進路、大学へと向かい優衣は散歩を
始めた。自分の身の上に起きたこととは関係なしに進んでいくいつも通りの講義。
講義をうけながらも、ちよの話してくれたことや優衣から聞いたこと、そしてラ
イダーのことを榊は考えていた。そして気がつけば講義も終わり、コンパなどの
誘いも彼女なりに丁重に断りながら、いつもの帰路を歩いていった。

キィィン・・・キィィィン・・・
(これは・・・共鳴・・・どこ!)

榊は近くからモンスターが現実世界に近づいた時の音でもある、共鳴が聞こえた
のを感じた。榊は周りを振り返り、人気の少ない裏通りで、まだらの模様で両腕
に角状の武器を装着したモンスター、ゼブラスカルアイアンが歩いている人をシ
ョーウィンドの鏡の中から角状の武器を交差させてスライスしようとしていてい
るのを発見した。

(く、ここからじゃあもう間に合わない・・・来てデストワイルダー!)

彼女はミラーワールドで契約したデストワイルダーに最後の望みをかけた。
「ガァァァ!」
咆哮と同時にデストワイルダーが反射しているショーウィンドから出現し、その
豪腕を振るい、ゼブラスカルアイアンに豪快な打撃攻撃を繰り出した。怯んだゼ
ブラスカルアイアンは急いでミラーワールドの奥へと逃げ出した。

「早く、あっちに!」
「あ、ああ・・・」

榊がそう言うとその人は慌てて逃げ出した。去っていくのを確認した後、静かに
デッキを鏡の前に突き出す榊。出現するライダーベルト。

(・・・私は、また戦うんだ・・・)

榊には一瞬迷いが生まれた。無理も無い。今まで争ったことが皆無だった人があ
る日突然戦いの場に立たされているのだ。だが、ちよの今現在の姿や、襲われた
人が心に浮かんだ時、もう榊は迷わなかった。

(私はちよちゃんのために、モンスターから皆を守るために、戦う・・・)
「変身!」

次の瞬間、榊は仮面ライダータイガとなった。デストワイルダーを追いかけ鏡の
中に飛び込む榊。一瞬の違和感があったあと再び最初にミラーワールドを訪れた
時と同じ、ミラーワールドの入り口、ディメンションホールへと着いた。そこに
は榊がディメンションホールからミラーワールドに行く為の次元移送機ライドシ
ューターが榊を待っていた。それを見ながら榊は優衣との朝の会話を思い出した。

《ライダーはミラーワールドに入っただけじゃあ、駄目なんだって。そのあと、
ミラーワールドに行くためにある乗り物・・・ライドシューターだったかな?に
乗る必要があるって、蓮が言ってた。》
(これが、ライドシューター・・・)

榊はライドシューターのシートに座った。すると自動的にシートベルトが装着さ
れ、ライドシューターに電源が入った。
(これかな・・・?)
ハンドルを握り、中央にあったスイッチを押す榊。途端にライドシュータは高速
でディメンションホールを駆け始め、榊はゼブラスカルアイアンの追跡を始めた。

【次回予告】

激しいぶつかり合いの音が聞こえる。
『ストライクベント』
榊は手に大きな力が宿るのを感じた。
「はぁ!」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第15話 : 連携】

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