あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第15話 : 連携】

高校卒業後に初めてちよと再会したディメイションホールをライドシューターで移動
し続ける榊。永遠に続くかという景色の中、一筋の光が見えてきた。

(・・・眩しい)

一瞬の体への違和感のあと、ガラスが砕ける音と同時に強烈な光が目に入った。思わ
ず目を閉じ、少しずつ目を開けながら周りの景色を確認する榊。そこは普段生活する
現実と何ら変わらない風景に見えた。しかしよく観察してみると看板の文字や建物が
逆になっていることから、ミラーワールドであることがわかる。

(ここが、ミラーワールド・・・)

自動的にライドシューターが開きそこからゆっくりとミラーワールドの地面を踏む榊。
地面からは現実とまったく変わらない感触があり、最初は慎重に歩いていた榊も徐々
にいつもの歩幅に戻り、この世界に来た目的、ゼブラスカルアイアンを探すことを始
めた。榊は聴覚に集中した。

(聞こえる。あっちだ!)

激しいぶつかり合いの音が聞こえる。榊の契約モンスターであるデストワイルダーが
ゼブラスカルアイアンと戦っているのだ。榊は音のする方向へと急いだ。そこではデ
ストワイルダーがゼブラスカルアイアンを攻めてはいるのだが、スピードについてい
けておらず、翻弄されていた。榊が到着した時には、デストワイルダーの背後をとっ
たゼブラスカルアイアンが一気に攻め込み始めていた。

(このままじゃあ、駄目だ!)

気がつくと榊は自分の手にカードの効果を発動させるタイガ特有の武器でもある斧、
デストバイサーを握っていた。デッキからカードを取り出し、デストバイサーの中に
カードを装填する榊。自動的に動いた向きと反対方向に力を加えると何かが組み合わ
さった音の後、無機質な声が聞こえてきた。

『ストライクベント』

榊は手に大きな力が宿るのを感じた。その力を信じてゼブラスカルアイアンとの距離
を走りながら詰める榊。榊の動きに気がついたデストワイルダーは攻撃を続けている
ゼブラスカルアイアンをその両腕で強引に拘束した。必死にもがくゼブラスカルアイ
アンに榊はその力を爆発させた。

「はぁ!」

気合を込めゼブラスカルアイアンの腹部をストライクベントにより得た巨大な爪、デ
ストクローで貫く榊。素早く引き抜いたあと、すかさず後ろへと飛びのき、デストワ
イルダーも榊を見習うかのように同じ動きをした。よろよろと歩くゼブラスカルアイ
アン。榊の方へと近づこうとしていたが、やがて動かなくなり、最後に断末魔の咆哮
をしたあとその場で爆発した。その様子を静かに見つめる榊。ディスパイダーの時と
同じように淡く光る球体が現れ、ゆらゆらと不安定ながら大空へと飛んでいこうとし
ていたが、それに向かって跳躍したデストワイルダーによって吸収された。

(・・・勝ったんだ。あれ?どうしたのかな・・・?)

ほっとする榊の体に異変が起き始めた。体からたくさんの粒子が放出しているのだ。
デストワイルダーは困惑している榊の様子を感じ取り警告した。

(今スグ・・・汝ノ・・・世界ニ戻レ・・・モウ少シデ・・・汝ハ・・・消エル)
(消える?)
(全テガ・・・散ルト・・・存在ガ消エル・・・急イデ来タ道ニ・・・飛ビ込メ)

デストワイルダーの警告を受け取り元の道へと榊は急いだ。ライドシューターを見つ
け、目の前のガラスに深呼吸をした後飛び込むと、ガラスが砕ける音とともに変身も
解け、気がつくと裏通りのショーウィンドウの前で倒れていた。

「・・・」

様々な思いを胸に榊は立ち上がり、帰路を歩き始めた。
(他の皆は大丈夫かな・・・?)
榊の友を思いやる瞳だけが夕日を浴びていつまでもきらきらと反射していた。

【次回予告】

「・・・影よ目覚めろ・・・シャドウベント」
「私を呼んだのはお前か?」
「何故士郎さんがそんなことを・・・?」
「・・・決まってるだろ。コアミラーを壊そうとする奴らを止めるんだよ。力ずくでな。」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第16話 : 分離】

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