あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第17話 : 妨害】

朝、榊と別れた優衣は街を散歩していた。

(・・・ここのタイヤキおいしそう)
「すみません。子倉一つお願いします。」
「あいよ。」
「ありがとう。・・・あつつ」
(あっちに行くとどこにつながるのかな?)

自由気ままに歩いていた時、モンスターがミラーワールドから近づいている
ことがわかる共鳴が優衣の頭に響いた。

キィィィン・・・キィィィン・・・
(頭が痛い・・・)

優衣は周囲を見回した。突然すぐ目の前のオフィスビルから巨大な黒龍が飛
び出してきた。

「きゃあ!」

優衣は思わずしゃがみ、襲ってきた黒龍を避けた。残念そうな咆哮を残して
黒龍は再びミラーワールドへと消えていった。

(このままじゃあ、また、誰かが襲われる・・・追いかけなきゃ。)
「変身!」

優衣は鮮やかな白で装飾されたライダー、ファムへと変身し、黒龍が消えた
鏡に手を近づけディメイションホールへと向かった。

(これが蓮の言ってたライドシューター・・・急がないと!)

ライドシュータに乗り込み、ファムはディメイションホールからミラーワー
ルドへと向かった。

(どこに行ったんだろう?)

ミラーワールドに辿り着いたファムは黒龍を探し始めた。そんなファムの様
子を見ていた人物がファムへと近づいていった。

「・・・優衣さんですね?」
「え?どうして私を知ってるの・・・?」
「聞きたいことがあります。士郎さんの作ったこのミラーワールドをあなた
はどう思いますか?」
「え・・・お兄ちゃんの作ったって・・・それは本当なの!」
「・・・私の質問に答えてください。」
「モンスターが出現するミラーワールドをほっとけないよ。・・・ちよちゃ
 んが言ってた。コアミラーを破壊したらミラーワールドは消えるって。私
 は、人を襲うモンスターが現れるミラーワールドは絶対に、いや!」
「そうですか・・・なら、あなたも潰します!」

『ソードベント』

漆黒のライダー、リュウガはファムにブラックドラグセイバーを構えて突進
してきた。リュウガの攻撃を慌てて避け続けるファム。

「きゃあ!・・・どうして!ライダー同士は戦わなくていいはずよ!」
「ミラーワールドを閉じられると私が困るんです!」
(このままだと危ない!)

ファムは意を決してレイピアに似た自身のカードバイサー、羽召剣ブランバ
イザーにデッキから取り出したカードを装填した。

『ガードベント』

「ガキィイイン!」
「へえ・・・ならこうです!」

リュウガはファムのウイングシールドで攻撃が通じないと判断すると、その
場でバク転を連続で行ってファムとの間に距離を作り、リュウガのカードバ
イザー、龍召機甲ブラックドラグバイザーにカードを装填した。

『アドベント』

リュウガの契約モンスター、暗黒龍ドラグブラッカーが二人の前に出現した。

「さっきの龍!?あなたの契約モンスターなの!」
「ドラグブラッカー、目的はファムです!」
「ゴァァァ!」
「きゃあああ!!」

ファムはウイングシールドで身を庇ったが、ドラグブラッカーの強烈な体当た
りで吹き飛ばされた。

(う・・・身体が動かない。)

『ファイナルベント』

リュウガは戦いの勝負を決める必殺のカード、ファイナルベントをブラックド
ラグバイサーに装填した。途端にドラグブラッカーがリュウガの周囲を包み込
み、リュウガに己の力を注ぎ込んだ。その力でドラグブラッカーの口元へと宙
に浮いたリュウガはファムに別れを告げた。

「さよなら優衣さん」

ドラグブラッカーはリュウガに暗黒の炎を一気に吹き付けた。暗黒の炎の加護
を受けて黒い流星と化したリュウガはファムへと突撃した。ファムはリュウガ
がやけにスローモーションで近づいてくるように感じた。

(私・・・ここで終わっちゃうんだ・・・お兄ちゃん・・・)

『アドベント』

「え・・・きゃあ!?」

リュウガがファムに激突する瞬間、どこかでカードの使用された音が聞こえた。
それと同時に黄金の巨大な鳥がファムとリュウガの間に割り込み、リュウガの
身体をその巨大な鉤爪で握り締め、地面へと叩きつけた。その鳥はリュウガの
妨害をしたあと、現れたときと同様に一瞬で姿を消した。

「う・・・助かったの?」

リュウガは気絶しているらしく、少しも動かなかった。

「逃げなきゃ・・・」

ファムはよろよろと元の道へと歩き始めた。入り口を見つけ、手を近づけてい
る優衣に突然懐かしい声が聞こえた。

「優衣・・・お前は俺が必ず守る・・・安心しろ」
「お兄ちゃん!!」
(良かった・・・生きて・・・いた・・・ん・・・だ・・・)

士郎の姿を見て優衣は張り詰めていたものが崩れ、その場に倒れた。

「・・・う・・・お兄ちゃん!」

優衣が再び眼を覚ました時、そこは榊の家だった。

「よかった・・・」
「大丈夫・・・?」
「う、うん。」

榊はゼブラスカルアイアンを倒し、家に帰る途中のオフィスビルの前で
倒れているのを発見して連れてきたことを優衣に話した。

「・・・また助けてもらったんだ。榊さんありがと。」
「・・・」
(照れているんだ・・・何だかお兄ちゃんに似てるな・・・そうだ!)

優衣はミラーワールドでの出来事を思い出し、急いで榊に尋ねた。

「ねえ、近くに誰かいなかった?」
「いや、見なかったよ・・・」
「そう・・・」
(お兄ちゃん・・・どうして・・・?)

優衣は士郎のことを考えながら、再び意識を失った。榊は優衣が眠ったの
を見て、電気を消して、ソファーへと向かった。優衣の瞳から、涙が一粒
流れて消えた。

【次回予告】

(・・・!ついに来たか!!)
『CONTRACT』
無数の銃弾がよみに向かって飛んできた。
「駄目なのか!?」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第18話 : 狙撃】

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