あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第18話 : 狙撃】

「ふう・・・少し休むか」

そう呟くとよみは論文を書いていた手を止めた。ちよや皆との衝撃的な再会
のあと、今までとは違う、何かが始まる予感をよみは感じ取っていたのだが、
特に何かが起こることも無く、大学に行き、講座を受け、論文を書くという
普段どおりの生活を送っていた。こうなったらあの非日常な出来事自体、自
分の思い込みではないかと疑う時もあったが、机の上に静かに存在するカー
ドデッキを見るたびにその考えは消失するのであった。

(やれやれ・・・何も起きないんだが、どうしようか?ま、それだけ平和っ
 てことかもな・・・小腹が減ったな。何か食べるか)

よみはあくびをしながら自分の部屋から出て冷蔵庫のある居間へと向かった。

キィィン・・・キィィン・・・
(・・・きたか。)

ライダーにしか聞こえないかすかな共鳴。よみは期待と不安が入り混じった
複雑な表情でコートを手に取り居間へ向かった足で家の扉を開け歩き出した。

(く・・・一体どこからなんだ?)

よみがそう戸惑うほどかすかな共鳴であった。走りながら探し続けるよみ。
やがてよみは、ショッピングセンターの鏡の1つにモンスターを発見した。

(見つけた!あそこか。)

ちよとの再会のあと、様々な資料を集め、変身ポーズを研究していたよみは、
自分のもっとも得意とするフォームをベースにゆっくりと動き、変身した。

「変身!」

そして次の瞬間よみは一人の仮面ライダーとなった。

「てや!」

自分を奮い立たせるために掛け声を掛け、少しの気恥ずかしさを胸に、ミラ
ーワールドへと行くよみ。何かに吸い寄せられるように以前ちよと出会った
ディメイションホールをあっという間に通り過ぎ、気がついた時はいつもの
風景が逆になった世界、ミラーワールドで倒れていた。

(ふー。着いたのか?・・・ここでは文字が逆になるのか。面白い。)

物珍しそうに様々な看板の逆字を読んでいたよみは、自分の前に仁王立ちし
ている存在に気付いた。それは、頭部にバッファローのような角の生えた深
緑のモンスター、マグナギガだった。

(これがモンスターか。)

初めて出会うモンスターにどう対応するか考えるよみ。マグナギガはよみに
向かって両手から銃弾を発射し始めた。慌てて近くの物陰によみは隠れた。

(当ればあぶないな。・・・さて、と。私もやるか。)

マグナギガが一旦攻撃を中止して近づき始めたのを確認したよみは、意識を
集中してカードの効果を発動させる為にも使う銃、機召銃マグナバイザーを
出現させ、両手で握り締めた。

「は!!」

物陰から飛び出し、よみはマグナバイザーで標的に構え発射した。銃弾が命
中しマグナギガは怯んだ。効果があることを確認したよみは間髪いれずにマ
グナバイサーを連射し、しばしの間銃声だけがミラーワールドに響いた。

(やったか?)

己の銃弾で出来た煙幕を、しばし見つめるよみ。だが、傷一つつかず平然と
立っているマグナギガを見て思わず苦笑した。

(あれだけやったのにに無傷なのか。カードを使うしかないな。)

よみはカードデッキから1枚のカードを取り出しマグナバイザーに装填した。

『CONTRACT』

(・・・力を感じる。ちよちゃんが言ってたな。えーっと・・・そうだCO
 NTRACTはモンスターと契約できるんだったな。その契約のカードで
 撃つってことは・・・あいつを?む、どこに行った?)

よみはいつのまにか姿を消したマグナギガをいつでも撃てるよう油断無く構
えながら探し、発見したが少し遅かった。マグナギガはよみの後方に回り込
んでいたのだ。無数の銃弾がよみに向かって飛んできた。

「ぐ!・・・負けるか!」

マグナギガの凄まじい威力の銃弾で、よみはコンクリートの壁に激突した。
しかしよみは攻撃で吹き飛ばされながらも、契約の力が宿ったマグナバイザ
ーを撃った。その銃弾が命中したマグナギガは動きが止まった。よみは壁に
激突した痛みに耐えながらゆっくりと立ち上がりマグナギガに声を掛けた。

「おい、聞こえるか?契約したモンスターはライダーと交信できるんだろ?」

するとマグナギガは視線をよみに向けて返事をした。

(ソナタハ我ト契約スルモノカ?)
「ああ、そうだ。お前名前は?」
(まぐなぎが)
「で、私がお前と契約して得るライダーの力の名前は?」

よみはライダーがモンスターと契約することで不思議な響きの名前と力をラ
イダーが得られることに資料から気がついていた。

(・・・ぞるだ)

よみは少し考えていたが、先程の攻撃を思い出し、意地悪く笑いながらその
名前を却下した。

「そんな名前気に入らないなぁ。もっと違うのはないのか?」
(・・・ナラバ・・・仮面らいだーうーし・・・契約ハ・・・)

よみは慌ててマグナギガの言葉を遮った。

「わー!待て待て!やっぱりゾルダでいい!な!決定!」
(・・・デハソナタハ仮面らいだーぞるだトナル・・・)

デストワイルダーが榊に告げたようなことをよみに告げるマグナギガ。

「そうか・・・な、なんだ?」

よみは突然飛んできたブーメランが自分に向かって飛んできていることを知
り、横に転がって避けた。ブーメランが戻っていった先を見ると、新たなモ
ンスター、テラバイターがいることに気づいた。

「おい、マグナギガ、力を貸せ。」
(駄目ダ・・・)
「駄目なのか!?」
(かーどヲ使エ)
「・・・そうだったな」

『シュートベント』

よみはマグナギガのシンボルカラーである緑色に鮮やかに装飾を施されたカ
ードデッキからカードを1枚取り出し、マグナバイザーに装填した。その途
端、空中から巨大な重火器、ギガランチャーがよみの手元へと落下し、受け
取ったよみはテラバイターに照準をセットした。

「これで終わりだ。」

反動が大きかったが、ギガランチャーから発射された銃弾は外れることなく
テラバイターに被弾し大爆発を残した後、テラバイターを跡形も無く消し去
った。

「ま、こんなもんかな。」

よみは己の契約したモンスターの力に満足しながら元の世界へと戻った。モン
スターと契約した真の仮面ライダー、ゾルダはこうして誕生したのであった。

【次回予告】

「・・・榊さーん・・・えへへー」
「私は大丈夫です!」
「こら!人を襲ったりしちゃダメでしょ!・・・げ、いっぱいいるんだ・・・」
(あなたもライダーなんですか・・・?)

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第19話 : 軍団】

【Back】

【あずまんがー龍騎!に戻る】

【あずまんが大王×仮面ライダー龍騎に戻る】

【鷹の保管所に戻る】
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送