あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第24話 : 恩師】

「ふあー・・・ん?ちょっと、にゃも電気ぐらいつけなさいよー」

ミラーホールでロングヘアーの女性が眠たそうにあくびをしながら起き上がった。そんな
女性の様子を近くで座りながら見ていたと思われる女性がいかにも呆れた様子で答えた。

「ゆかりあんたほんっとお気楽でいいわね。・・・木村先生、ゆかりも気がつきました」

ゆかりと呼ばれた女性に一人の男性が近づいてきた。その男性は短髪でメガネをかけてお
り、何故か口を開けていた。

「気がつきましたか?ゆかり先生」
「げげ!なんでにゃもん家に木村先生がいるの?ま、まさかにゃも、あんた木村と・・・」
「あんた一体何言ってんの!ちょっとは周りを見るとかしなさいよ!」
「へ?」

古くからのゆかりの友人でもあり、同じ高校の教師でもある黒沢みなもは変な想像をした
ゆかりを一喝した。みなもの一言を受けてゆかりは周囲を見渡し初めてそこが先程まで訪
問して雑談していたみなもの自宅ではないことに気がついた。

「・・・にゃもここってどこ?」
「さあー?私もわからないわよ。木村先生は知りませんか?」
「残念ながら、私にもわかりませんね。しかし、不思議な空間ですよここは。これを見て
 ください。鏡の壁ですよ。鏡の壁。」
「へー。・・・ねーねにゃも。私達って何でこんな所にいるんだっけ?」
「だ・か・ら私も知らないっていってるでしょ!気がついたら皆ここにいたの!!」
「ゆかり・・・みなも・・・木村・・・」
『?』

3人は呼ばれ、声のした方に振り返った。そこにはこの3人が知るはずもないであろう、
ミラーワールドにもっとも関わりの深い人物の一人、士郎が立っていた。

「んあ?あんた誰?」
「ちょっとゆかり!初対面の人に失礼よ!・・・あのーすみません。ここって一体どこな
 んでしょうか?」
「ディメイションホール・・・お前達を呼んだのは俺だ・・・」
「はい!どうしてこんな場所に私達を呼んだのですかぁ!」

木村は榊、神楽、智、よみ、かおりん、ちよ、千尋等の生徒を教えていた時からまったく
変わっていない独特の雰囲気で士郎に核心を突いた。

「着いて来い・・・」
「ちょっとあんた!一体何様のつも・・・ふがふが」
「まーまーゆかり落ち着いて。・・・さっきから探してるけど出口が見つからないの。今
 はあの男について行きましょう」
「えー!?」

ゆかりの抗議を無視して3人は歩き出し、それを見たゆかりも渋々追いかけた。果てしな
く続いていくディメイションホール。木村はみなもに己の疑問を投げかけた。

「黒沢先生、彼は一体私達をどこまで連れて行く気なんでしょうか?」
「さ、さあー?もしかしたら案外出口に連れて行ってくれているかもしれません。」
「にゃもんな訳ねーだろ・・・」
「ここだ・・・」
「!!」

突然周囲が明るくなった。ミラーワールドに辿り着いたのだ。そして彼らの正面には黒い
巨大な正方形の物体が宙に浮いていた。

「へーすごいわねー。一体どうやって浮かしているのかしら?」
「電気の力だと思いますよ、みなも先生。」
「で、あんたは何で私達をこんなところまで連れてきたわけ?」
「・・・取引だ。お前達が元の世界に戻りたいならライダーとなってコアミラーを守れ」

そう言うと士郎は3人にカードデッキを投げた。

「え?・・・きゃ!・・・これは?」
「何を言っているのですか?・・・っと何ですこれは?」
「はぁ?・・・なんじゃこりゃ!」
(へぇ・・・先生もライダーになるのか!これは面白そうですねー)

3人は飛んできたデッキを反射的に受け取った。そんな彼らを、興味心から気づかれない
ようについてきていた、リュウガがこっそり見守っていた。士郎は言葉を続けた。

「カードデッキだ・・・それを使って変身しろ・・・」
「変身?あんた何いってんの?」
「黒沢先生。大変です。あなたの身体から何か飛び散ってますよ!」
「え・・・?きゃあ!これは一体どうなってるの?それに木村先生、ゆかり、あんたも!」
「げげ!」

3人は突然自らの身に起きている現象に混乱した。ミラーワールドではライダースーツで
身体を保護しないとその本人を構築している情報の粒子が虚空に放出され、やがては消え
てしまうことを知らないからだ。士郎は3人を急かした。

「急げ・・・時間が無い・・・」
「急ぐったって、どうすりゃいいんだよ!」
「デッキを反射させろ・・・」
「えーっと、こ、こうかな・・・これは・・・ベルト?」

みなもは近くの鏡にデッキを反射させた。すると虚空から自身に装着されたライダーベル
トを不思議に思いながら見つめた。

「にゃもー私も同じのがついたよー」
「それで私達に一体どうしろと言うのですか?」
「変身と言いながらデッキをベルトに装着しろ・・・」
「誰がそんな恥ずかしいこと言うかい!」

ゆかりは士郎の言葉を無視してそのままデッキをライダーベルトに装着した。しかしライ
ダースーツを出現させる為にはパスワードである変身という言葉を声に出さなければ何も
起きるはずがなかった。

「無駄だ・・・」
「ゆかり先生やってみるしかありません」
「そーよゆかり。・・・でもちょっと抵抗あるなー変身かー」
「だー!わかったわよ!ほら、にゃも、木村いっせーのーで!」
「変身・・・」
「へ、変身」
「変身じゃー!」
「それでいい・・・」

3人はライダースーツが出現し装着された自らの姿に驚嘆した。ゆかりのライダーベルト
には蛇をモチーフにしたカードデッキであり、その姿は紫で装飾されていて手には牙召杖
ベノバイザーが握られていた。

「おや?どうやら飛び散っていたものが止まりましたね」
「助かったわ。でもホントに変身するんだ・・・何で?」
「にゃもは相変わらず堅いですなー私は身体が楽になったからどうでもいいや」

そんなゆかりにエイをモチーフにしたカードデッキを装着したみなもはため息をついた。

「あんたねー」
「ゆかり先生もみなも先生も落ち着いてください。」

そういう木村は灰色のライダーとなっていた。頭部と左肩に角があり、左肩の角が禍々し
く真紅の色を光らせていた。

「無事に変身できたか・・・」
「で?あんたは私達に何をやらせようってわけ?」
「言ったはずだ・・・コアミラーを守れ・・・」
「ふーん・・・ま、私は面白そうだから賛成」
「ゆかり、あんたそんな簡単に!」
「だってさー出口見つかんないんでしょにゃも。」
「う・・・あのーそのコアミラーを守ることを手伝ったら出口を教えてくれるの?」
「約束する・・・」
「はい!質問です!一体誰からこれを守るんですか?」
「詳しいことはリュウガに聞け・・・」
「え?」
「・・・ばれてたんですねー」

リュウガは渋々と後ろから出てきて彼らへと近づいていった。

「へ?・・・あんた誰?」
「・・・リュウガ、彼らと一緒にコアミラーを守れ・・・」
「ちょ、ちょっと!・・・消えちゃった。困ったわね」
「消えてしまいましたね。ところであなたのお名前は?」
「リュウガでいいですよー。(しかし士郎もめんどくさいこと頼みやがったな・・・)」

誰知れずこっそりため息をついたあと、リュウガは彼女達にこれからのことを話し始めた。

【次回予告】

『高校で待ってます・・・』
「へーモンスターも無口なのか?私のモンスターはちょっとトロそうな感じだな」
「くそー負けた!」
「・・・別にいいよ」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第25話 : 変身】

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