あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第26話 : 獣帝】

「・・・という訳なんですよー」

リュウガの話が終わったとみて木村・みなも・ゆかりの3人はそれぞれ口を開いた。

「なるほど・・・つまりライダーはカードを使って戦うのですか」
「木村先生そうですー。カードには種類がありますが、基本的にはもっともその場に
 適したものが選ばれるようになっていますよー」
「ちょっと待ってよ!だからどうして私達が、そのコアミラーってのを守らないとい
 けないのよ!」
「あー・・・黒沢先生は真面目ですねー壊されると私と士郎さんが困るからですよー」
「んなことより早く戦わせろー!!」
「・・・!ゆかり、あんた自分の言っていることわかってるの!」
「あー・・・つまりあれでしょあれ。戦え!」
「ええゆかり先生。・・・そこです!」
「ギ!」

リュウガは手に持っていたブラックドラグセイバーを投げつけた。すると彼女達以外、
誰もいないはずの場所から悲鳴が聞こえた。そこにはメガゼールの指示を受けてコア
ミラーを探していたゼール軍団の一員、両腕に頑強なカッターを備えたモンスター、
マガゼールが彼女達の様子を窺っていたのだ。

「後は3人でやってください」
「私達で?」
「おらー!突撃ー!!」
「ちょ、ちょっと待ってよゆかり!」
「ギ!」
「いってー!こんにゃろ!えい!ん?えいえい!・・・あれ?」
「ギ!ギ!」

ゆかりはみなもの忠告を無視してマガゼールに突撃した。しかしいくらライダーにな
ったからといってモンスター相手に戦うには自身とライダースーツが馴染むほどの時
間が経過しておらず、マガゼール相手に両腕に備え付けられていたカッターで一方的
に斬りつけられていた。

「はー・・・もう!しょうがないわね。」
「谷崎先生〜カードを使うべきでは?」
「むむ!言われてみればそうですな!」
「私達も谷崎先生を援護しましょう」
「そうですね」

《《《アドベント》》》

ゆかりがベノバイザーにカードを装填するのを見てみなもはエビルバイザーに、木村
は肩に取り付けてあるメタルバイザーにカードを投げ入れた。アドベントの三重奏が
奏でられ、毒々しい紫色の大蛇の化身ベノスネーカー、エイの姿をしたエビルダイバ
ー、そして頑強な角を持つサイのモンスターメタルゲラスが出現し、マガゼールの周
囲を囲むと一斉に攻撃を始めた。

「いいぞー!そこだそこ!」

ベノスネーカーはマガゼールに対して隙あらば霧状の猛毒を辺りに撒き散らしていた。

「ゆかり、だから言ったでしょう」
「そんな昔のことなんかとっくに忘れましたー」
「あんたねぇ・・・」

そんなみなものエビルダイバーは空中から突撃してはまた空中に逃げるという軽やか
な戦法でマガゼールを翻弄していた。

「サイ・・・どうですか!にゃも?」
「へ?・・・別にどうもしません!」

そしてこの2匹をサポートするかの如くメタルゲラスはマガゼールと接近戦を行い、
その強固な装甲で全ての攻撃を受け流していた。

「・・・これを使え」
「ん?」

それぞれの契約モンスターの応援に熱中していた時、すっかり忘れ去られていた士郎
が唐突に現れ、ゆかりの握っているベノバイザーへと向かってカードを投げた。する
とベノバイザーが自動的にそのカードを装填(ベントイン)し効果を発動させた。

《ユナイトベント》

そのバイザーの発動音がミラーワールドに響き、マガゼールの攻撃を中止した3匹は
それぞれ内側から光を発しながら一箇所に集まった。爆発的な光がミラーワールドを
包み込み、次の瞬間獣帝ジェノサイダーが威風堂々と大地にそびえ立っていた。

「ちょっとゆかり、あんたまた何をやったの!」
「私知ーらないっと」
「はぁ・・・都合が悪くなるといつもそれなんだから」
「・・・全員でファイナルベントを使え・・・」
「ファイナルベントとはこれのことですか?」

木村はデッキからライダーの勝負を決める必殺のカード、ファイナルベントを取り出
し手に握っていた。士郎は木村のカードを確認するとゆっくり頷いた。

「・・・そうだ」
「私も出したわよ。ほらゆかり、あんたも出しなさい」
「へいへい。」
「・・・今だ」

《《《ファイナルベント》》》

「グゴォォォォ!」

ジェノサイダーは咆哮し、天空へとその首を向けた。すると時空が歪み、胸に小型の
ブラックホールが出現した。ジェノサイダーは胸のブラックホールに周囲の空気を吸
収し始めた。

「これは・・・大きな力を感じますね。」
「よっしゃあ!行くわよにゃも、木村!」
「ええ!」

3人のライダーはマガゼールへと駆け出し始め、マガゼールが気がついた時には、1
人1人がマガゼールを中心に60度の角度ごとにそびえ立つという、トライアングル
フォーメーションで囲んでいた。

「ギィ!?」
「えい!」

ライア=みなもは加速しながらマガゼールの背中にファイナルベントの効果で力が数
倍に増幅された正拳突きを入れガイへと吹き飛ばした。

「一等賞!!」

己に向かって飛ばされてきたマガゼールをガイ=木村はいつのまにやら装着していた
メタルホーンで再び空高く吹き飛ばした。

「どうりゃぁー!」

そしてすでに跳躍して空中でマガゼールを待ち構えていた王蛇=ゆかりが、マガゼー
ルの頭部を連続で殴りつけ、一気にジェノサイダーへと落下させた。

「ギィィイ・・・!!ギュァァ!」

ジェノサイダーとマガゼールが激突した瞬間、マガゼールはジェノサイダーの胸のブ
ラックホールへと吸い込まれた。一瞬ミラーワールドに真の静寂が訪れた。束の間の
静寂のあと、マガゼールを異空間へと移動させたエネルギーが周囲に大爆発を巻き起
こし、マガゼールの存在はミラーワールドからものの見事に消滅していた。

「へー。先生達も強いんですねー・・・つ・・・でもモンスターは大切にしないとい
 けませんね・・・」

ファイナルベントを使いマガゼールを撃墜した3人を見ながらリュウガは一人ぽつり
と言った。そんなリュウガの身体からはタイムリミットが来たかの如く粒子が激しく
飛び散り、誰知れずミラーワールドの虚空へと消えていった。

【次回予告】

「中々見つかりませんねー榊さん」
「私と勝負だー!」
《トリックベント》
「にゃも残念賞!」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第27話 : 接戦】

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