あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第28話 : 策略】

リュウガは約束通りゆかり、みなも、木村の3人を現実世界へと帰還させたあと、デ
ィメイションホールで士郎を探し歩いていたが、黒ちよの胸には先程のタイガ&イン
ペラーの戦いを鮮明に思い浮かべていた。

(インペラーのゼール軍団にタイガの反射神経と運動能力・・・今度襲った時、また
 コンビで戦われたら厄介だな・・・そうだ!)

「士郎!ここにいないんですかー!」
「どうした・・・」
「うわ!いきなり後ろに出てくるなよ!・・・士郎さん、榊さんを皆から別離させま
 せんか?」
「・・・無理だ。彼女達はお前の本体でもあるちよを中心にコアミラーを破壊する」
「まあまあそう言うなって。私に考えがある。・・・マヤーを使うんだ」
「マヤー?」

黒ちよは榊が高校時代、1匹のイリオモテヤマネコが母猫を亡くしてその少し前に優
しくしてもらった榊を慕い西表島から来たということ、その猫の名前がマヤーで現在
は榊の一人暮らししている部屋で一緒に暮らしていることを士郎に伝えた。

「・・・つまり士郎さんの持っているあのカードを使ってマヤーを・・・」
「・・・やってみる価値はあるな。」
「さて、榊さんはどうするんでしょうねー?」

士郎がその策略の為にディメイションホールから姿を消すのを確認した後、黒ちよは
口元にうっすらと笑みを浮かべた。その頃ミラーワールドでは7人のライダーとちよ
が再び集結していた。

「見当たらなかったよ」(よみ)
「私もやー」(大阪)
「ちよちゃんごめんね。見つけれなかった」(優衣)
「いえ、優衣さん謝らなくていいですよー」(ちよ)
「皆駄目だなー!」(智)
「何ー!そういう智はどうなんだよ!」(神楽)
「見つけれなかった!」(智)
「何で自慢気なんだよ・・・そうだ、榊はどうだったんだ?」(よみ)
「・・・」(榊)
「あのー見つけたんですけど消えちゃいました。」(かおりん)
「かおりん見つけたんかーでも消えたってどういうことや?・・・あ、わかったー私
 のモンスターみたいに姿を消したんやな!」(大阪)
「えーっとですね・・・」(かおりん)

かおりんは一緒にコアミラーを発見した後から未だに考え込んでいる榊の代わりに答
え始めた。コアミラーを見つけたこと。新しいライダー4人に遭遇したこと。そして
妨害されている間にコアミラーが消えたこと等を話した。

「新しいライダーの妨害、か・・・」(よみ)
「黒いやつもいたのか!許せーん!」(智)
「へーでもそのライダー達って誰なんやろー」(大阪)
「もしかして・・・ゆかり先生達なのかな・・・」(榊)
「え?ここでは先生もライダー、なの?」(優衣)
「そうみたいです。榊さんが会話を聞いていたら木村先生っていうイヤ〜な人もライ
 ダーになったみたいです」(かおりん)
「でも榊、何で先生が妨害したんだ?」(神楽)
「それは・・・」(榊)
「・・・士郎さんがデッキを渡したのだと思います。」(ちよ)
「お兄ちゃんが?でも何でそんなことをする必要があるの?だってコアミラーを破壊
 したらミラーワールドを閉じることが出来るんだよ」(優衣)

優衣の疑問はもっともであった。コアミラーから出現するモンスターは人を襲う。一
刻も早くコアミラーを破壊する必要があると優衣はちよから聞いているだけになおさ
らである。

「それは・・・」

ちよが迷いながらも口を開こうとした時、ライダーがグランメイルを装着することで
ミラーワールドでの活動を可能にする時間が彼女達に迫っていることに気づいた。

「みなさんタイムリミットが来てるみたいです。・・・あっちの鏡からみんなは帰れ
 ますよ。またミラーワールドで会いましょう。」

ちよはそう言うとミラーワールドのある一箇所を指差した。皆がその場所を振り返る
と、うっすらと白く光っており、そこだけが現実へと帰還するための扉であることが
わかる。

「先に行くぜ!うぉぉぉー!」(智)
「やれやれ。・・・ちよちゃん、またな」(よみ)
「また・・・」(榊)
「ちよちゃんおつかれさまです!」(かおりん)
「ちよちゃんばいばいやー」(大阪)
「ちよちゃん。じゃあな!」(神楽)

ライダー達はタイムリミットが近づいているミラーワールドから脱出するように、そ
の鏡の扉から現実世界へと次々と帰還していった。しかし、唯1人未だに残っている
ライダーがちよの隣で黙って立っていた。ファム(優衣)である。

「・・・優衣さん急いでください。タイムリミットが来たら、一生このミラーワール
 ドから抜け出せなくなるんです。」
「・・・今の質問に答えて!どうしてお兄ちゃんはライダー達にコアミラーを守らし
 ているの!どうしてここまでミラーワールドを守ろうとするの!?」
「優衣さん・・・コアミラーを破壊した時全てがわかります。士郎さんのミラーワー
 ルドと優衣さんへの想い、私のこの姿も・・・だから今は聞かないでください。今
 は・・・」
「ちよちゃん・・・じゃあ約束して。いつか必ずちよちゃんが知っていることを教えて。」
「はい。・・・優衣さん、幸運を!」

ちよはガッツポーズを残し姿を徐々に消していった。優衣はちよが気配を消しこの場
からいなくなったことを確認した後、黙って現実世界へ帰還した。鏡の扉に接触する
優衣。途端に鏡の砕ける音と共にグランメイルが解除され、元来た場所でもある、高
校前に立っていた。

「優衣ちゃん遅いぞー!」(智)
「ごめんね。ちょっと手間取ってたんだ」(優衣)
「あーあ。それにしてもまた振り出しに戻った気分だぜー」(神楽)
「まったくだ。」(よみ)
「よみはダイエットでこういうの慣れてるから平気だろ?ほら、リバウンドだっけ」(智)
「ダブルチョーップ!」(よみ)
「イター!何だよ!ホントのことだろー?」(智)
「智ちゃんとよみちゃんはいつも楽しそうやなー」(大阪)

(コアミラーを破壊した時全てがわかる・・・でもどうしてそれがちよちゃんのあの
 姿にも関わっているんだろう・・・?)

じゃれあうメンバーをよそに優衣は今のちよの言葉を思い出していた。コアミラー、
ミラーワールド、士郎、そしてちよとライダー。まるでバラバラのジグソーパズルを
完成させるかのように優衣は考え始めた。今ではない時。優衣は真実を知ることにな
る。だがまだその時は優衣に訪れていなかった。

(・・・駄目。全然わからないわね。)
「優衣さん・・・優衣さんー?」(かおりん)
「え、ええ。どうしたの?」
「優衣さん、このあと皆で遊びに行くんですけど一緒に行きませんか?」(かおりん)
「私は・・・今日は・・・」(優衣)
「私も駄目だ・・・」(榊)
「そうですか・・・(あ〜あ。榊さんも駄目なんだ―。は〜)」(かおりん)
「何だ榊も優衣さんも帰るのか。」(神楽)
「榊、優衣ちゃんまったねー」(智)

智の声を余韻に榊と優衣は家へと向かい始めた。マヤーが待っているであろう、榊の家を。

「ギャウウウウ!」
「無駄だ・・・ソウルベント・・・」
「・・・ギャゥゥゥ・・・」

その頃榊の家では士郎とマヤーが対峙していた。士郎が虚空から取り出した何も描か
れていないカードと共にある効果を発動させた。部屋全体を光が包み込んだ。そして
マヤーの姿は消え、士郎の手には一枚のカードが握られていた。

【次回予告】

「大丈夫。マヤーと一緒に帰ってくるよ・・・」
「・・・お前にも選ばなければならない時が近づいている・・・」
「・・・これは?」
(私の・・・真実・・・)

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第29話 : 取引】

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