あずまんがー龍騎!
【あずまんがー龍騎!】
【第30話 : 予感】

マヤーを人質にした士郎はディメイションホールで微動せず佇んでいた。そんな士郎
に近づいてくる者がいた。黒ちよである。

「士郎さん首尾はどうでしたか?」

士郎は手を掲げて虚空から一枚のカードを出現させるとそれを黒ちよに見せた。

「成功したんですね!・・・実はもう一押しあるんですよー」
「・・・言ってみろ」
「仮面ライダー王蛇を使うんです・・・」

(かおりん・・・かおりん)
「んもー・・・誰ー?一体何のようなのー?」
(メガゼールです。かおりんのご命令で起こしにきました)
「え?メガゼール!?」

普段は寝起きが悪いかおりんだったが、さすがにぎょっとして起き上がった。

「あー・・・おはよう」
(かおりんおはようございます)
(・・・私起こしにきてっていつ頼んだっけ・・・)

窓ガラスからメガゼールがかおりんにぺこりと頭を下げた。そんなメガゼールをしば
らくの間見つめながらかおりんはその時の記憶を思い出した。全員でコアミラーを探
索していた時のメガゼールとの会話である。

「ねーねーメガゼール」
(はい、かおりん)
「えっとね・・・私ってさ、あなたに命令出来るんだよね」
(ええ。私はあなたの契約モンスターですから)

それを聞くなり両手をぱん!と勢いよく合わせかおりんはメガゼールに頼んだ。

「ごめん!明日私を起こしにきてくれない?・・・ほら目覚まし時計じゃ起きれなく
 てさぁ。それに遅刻で廊下に立たされるのはちょっとね・・・」
(わかりました。それでは明日起こしにいきます)
・・・

再び窓ガラスを見つめ、ベットの上からメガゼールと向き合うかおりん。しばしの間
ぼーっとした時間が流れたが、やがてかおりんはメガゼールにお礼を述べた。

「そ、そのありがとう」
(ご命令はこれだけですか?)
「は、はい。そうです!」
(それでは・・・)

思わずメガゼールに敬語を使うかおりん。その言葉を聞いてメガゼールはすうっと朝
の光に消えていった。

「お母さんおはよう!」
「あら。かおり、あんた今日は早いわね」
「えへへ!私もやる時はやるんだから!・・・行ってきまーす」

かおりんは元気いっぱいに専門学校へと向かった。高校卒業後の進路。それが自らの
運命を大きく決める意味もあり、かおりんはぎりぎりまで考えた末、専門学校を選ん
だ。高校時代より刺激の多い専門学校に満足はしていたが、何か満たされていなかっ
た。しかし、ミラーワールドと仮面ライダーという非日常なことに巻き込まれながら
榊やちよ達と再び関わることでかおりんの日々の生活は以前より充実していた。モン
スターの共鳴を聞いてミラーワールドに行けばかつての友人達に会えるのだから当然
かもしれないが。そんなかおりんに昨日のコアミラー探索の疲れが出たのだろう。机
に座った途端再び睡魔に襲われた。心地よい眠気を味わいながらかおりんは幸せそう
に榊とコアミラーを探索していた時の夢を見ていた。

「・・・かおり・・・かおりさん聞いてるの?」
「あ・・・す、すみません」

穏やかに授業も進み、後は帰るのみとなったのでかおりんは自宅へと向かった。そし
てショッピング街を通っている時、共鳴が始まった。

キィィン・・・キィィン・・・
(う・・・またモンスター?)

かおりんが周囲を見回したとき、ショーウィンドウのガラスから静かに神崎士郎がか
おりんを見つめていた。

「かおり・・・」
「え・・・あなたは誰ですか?」
「神崎士郎だ・・・ミラーワールドで待っている」
「ちょ、ちょっと・・・消えちゃった。もう!人の話くらい最後まで聞きなさいよ!」
(ま、暇だし行ってみようかな)

かおりんは改めて周囲を見回し人目を気にした。幸いなことにこの時間帯には珍しく
人がいなかった。急いでインペラーへと変身したかおりんはショーウィンドウの中に
飛び込んだ。ディメイションホールで士郎を発見したのはそのすぐ後であった。

「ここだ・・・」
「あのー、お話って何なんでしょうか?」

その頃リュウガは窓ガラスの中から自宅で爆睡しているゆかりに向かって話しかけていた。

「ゆかり先生起きてください。」
「ん〜?・・・またあんた?今日は何の用なの?私は眠いのよ〜後にしてくんない?」
「ライダー同士での戦いをお誘いにきましたー」

ゆかりは寝返りをうちながら気だるそうにリュウガに尋ねた。

「戦いって前みたいに楽しいわけ〜?」
「そうですよー。今日はタイガと戦ってもらいたいですー」
「タイガって誰?」
「木村先生と黒沢先生が苦戦していたライダーですよー」

ゆかりはしばしの間布団の中で考え込んでいた。仮面ライダーとなって戦うこと。こ
れはゆかりの今までの人生の中で味わったことがないほどの刺激であった。またゆか
りは気がついていた。自分があの刺激を再び味わいたいと思っていることを。布団か
ら出るとゆかりはリュウガに振り向いた。気だるそうな雰囲気が消え、あるのは燃え
上がるほどの戦いへの渇望だけだった。

「・・・わかった。すぐ準備するわ!」
「はい!」

「・・・サーチベント」

士郎がかおりんの問いに答えないままあるカード名を読み終えたとき、ディメイションホ
ールの空中で驚くべき現象が起きた。空中に特定の法則で文字が浮かび上がってきたのだ。

RYUKI ・KAGURA:REALITY WOLRD
KNIGHT ・TOMO :REALITY WOLRD
ZOLDA ・KOYOMI:REALITY WOLRD
TIGER ・SAKAKI: MIRROR WOLRD
IMPERER ・KAORI : MIRROR WOLRD
VERDE ・AYUMU :REALITY WOLRD
FAM ・YUI :REALITY WOLRD
OUJA ・YUKARI: MIRROR WOLRD
RAIA ・MINAMO:REALITY WOLRD
GAI ・KIMURA:REALITY WOLRD
RYUGA ・CHIYO : MIRROR WOLRD
SCISSORS・------:-------------
ODIN ・ODIN : MIRROR WOLRD

「な、何よこれ!?」
「お前達ライダーの情報だ・・・」
「ゆかり先生やみなも先生、それにあの木村先生もライダーなの・・・」
「・・・榊はこれから王蛇とリュウガの二人を相手に戦うことになる」
「そんな!!」
「・・・お前も向かえ。そして・・・最後の1人になるまで戦え・・・戦え!」

インペラーは士郎の言葉が終わるのを待たずにライドシューターに乗り込むと一気にシ
ステムを起動させ、高速でミラーワールドへ向かった。己の大切な友人を守るために。

【次回予告】

「へぇ・・・あんた少しは骨があるじゃん!でも・・・まだまだぁ!」
《ファイナルベント》
(・・・駄目だ。速すぎる!)
「あんたまーまー面白かったわよ・・・じゃあね」

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え!】

【あずまんがー龍騎!】
【第31話 : 危機】

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