【あずまんがー龍騎！】

【第31話 ： 危機】

榊はデストバイザーを両手に持つと跳躍して一気にリュウガとの距離を詰めた。

「はぁ！」
「榊さん、まだまだですねー」

デストバイザーでリュウガにひたすら斬りかかる榊。だが、それらをリュウガは難なく
避けると同時に拳と蹴りで榊に反撃を始めた。

「今度は私の番です！」
「く…！」

次々と飛んでくる拳と蹴りへの対応で榊は背後から跳躍して斬りつけてきたゆかりへの
対応が遅れた。

「どりゃー！」

ザシュ！

「…！」
「これよこれ！この感覚よねー♪」

再びゆかりのべノサーベルが榊へと振り下ろされたが榊はわずかだったがゆかりより早
くデストバイザーにカードをベントインした。

《ストライクベント》

ガキィィン！

「へぇ…あんた少しは骨があるじゃん！でも・・・まだまだぁ！」

ガキィィン！ガキィィン！…

「…！」

装着されたデストクローで割り込んできたゆかりの攻撃を榊は防いだ。ベノサーベルで
榊を攻めるゆかり。最初の一撃をデストクローで吹き飛ばされたゆかいｒだったが、ベ
ノサーベルに込める力を徐々にあげてスピードを増していった。そんなゆかりの対応に
必死になった榊は今度はリュウガがベントインと同時に斬りかかってくるのを防げなか
った。

《ソードベント》

「榊さん私とも遊んでください！」
「ザシュ！」

リュウガのブラッグドラグセイバーの攻撃による背中の痛みと衝撃に思わず動きが止ま
る榊。そんな榊にゆかりがみぞおちにすかさず蹴りを入れた。

「もう終わりか？つまんねーの」
「ほらほら頑張ってくださいー」
「…」

タイガは無言で立ち上がると再び王蛇とリュウガに向かって駆け出した…

「…榊さん榊さん」
「ん…？」

大学からの帰宅途中、榊は誰かに呼び止められ周囲を振り返った。どうやら声はカーブ
ミラーから聞こえるらしく榊がカーブミラーを覗いてみると、そこには黒き暗黒の龍ド
ラグブラッカーを従えるを仮面ライダーリュウガの姿があった。

「お前は…！」
「こんにちわ榊さん」
「…」
「天気もいいですし、今から戦いませんかー？」
「断る」
「もし榊さんが私に勝てたらマヤーを元に戻す方法を教えると言ってもですか？」
「…本当、なのか？」
「本当ですよー」

榊はリュウガの言葉に躊躇った。マヤーを助けるためにリュウガと戦う。それが命の奪
い合いにつながることは、リュウガのこれまでの情け容赦ない行動から明白であったか
らだ。

「榊さん、ぐずぐずしてたらドラグブラッカーで周囲の人を襲っちゃいますよー」

リュウガの後ろに出現したドラグブラッカーの咆哮を聞き榊は覚悟を決めた。

（私がこの人を止めないと、誰かが犠牲に…）

「…変身！」
「榊さん、まだまだですねー」
「はぁ！」

………
……
…

ゆかりの攻撃に一瞬意識を失った榊だったが、立ち上がると王蛇とリュウガに向かっ
て駆け出しながらカードをデストバイザーにベントインした。

《フリーズベント》

「何じゃこりゃぁ！」
「へぇ・・・足止めですか。さすが榊さんです。でもこの程度じゃあ…駄目ですよ！」

《ストライクベント》

「えい！」
「あっちー！！何すんだよこのやろー！！」
「これで動けるでしょゆかり先生」
「やるわねあんた♪」
「…そんな！」

榊が足止めにと使ったフリーズベント。だがリュウガはストライクベントの炎でゆかり
の周囲の氷を一瞬でかき消したのであった。思わず声をあげ立ち止まる榊。

「これであんたも終わりよ」

《ファイナルベント》

ゆかりはその一瞬の隙を逃さず、ベノバイザーにカードをベントインした。ゆかりの契
約モンスター、ベノスネーカーがゆかりの背後に出現し、己のエネルギーを与え始めた。

「うーん絶好調ね♪…ていやー！」

ゆかりは受け取ったエネルギーで一気にベノスネーカーの口まで跳躍した。跳躍したゆか
りはベノスネーカーの口で一旦着地し、一気に榊へと突撃した。周囲に猛毒の霧を撒き散
らしながら蹴りを連続で行う王蛇のファイナルベント、ベノクラッシュ。榊は両手を急い
で顔の前で交差させるとゆかりの攻撃に備えた。だがそんな榊を嘲笑うかのよう如くゆか
りはその威力を榊に証明した。

「そんなことしたってねー・・・無駄よ無駄ぁ！！」
「ぐ・・・うわああ！」

次々にデストクローの上から繰り返される王蛇の高速連続蹴りは一撃一撃にベノスネーカ
ーの猛毒が込められていた。榊はゆかりの蹴り全てを防ぐことが出来ず、最後の何発かは
直接受けてしまい、ある一定以上のダメージを与えられると起こるグランメイルとの拒絶
反応、つまり大爆発を起こした。

（体が・・・動かない）
「ん？あんたまだ生きてんの？しょうがないわねー。可哀相だからトドメは一撃にしてあ
　げるわよ」

ベノスネーカーの猛毒で榊は動くことが出来ず、無防備に近づいてくる王蛇に対してもは
や睨みつけることしか出来なかった。

「あんたまーまー面白かったわよ・・・じゃあね」

王蛇のべノサーベルが横たわって動かないタイガのカードデッキへと振り下ろされた。

【次回予告】

「メガゼール、皆でこの人をやっつけて！」
「今度はかおりさんが相手してくれるんですか？」
「ギュイイイ…ガガガガガ！」
《ファイナルベント》

【生き残らなければ真実も見えない。ライダーよ、生き残るために戦え！】

【あずまんがー龍騎！】

【第32話 ： 悲しみの風】

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