仮面ライダー
【MKAS】
【神敬介 仮面ライダーX】

 神敬介は謎の組織GODによって殺されたが、父が最後の力を振り絞り、彼をカイゾーク、仮
 面ライダーXに改造する事に成功した。GODを壊滅させた敬介は外国へとわたった。それか
 ら数ヶ月後、日本にゲドンという新たな悪の組織が出現、敬介は組織の本拠地であったアマ
 ゾンの奥地へと足を運んだのであった。
「くそ、すごいジャングルだな、どこまで続いているんだ?」
 敬介は途中大蛇や蜂の大群に襲われながらもなんとかゲドンの基地があった場所へと到着し
 た。だが、そこにはすでにだれもいなく、元々科学力が低いゲドンがコンピュータ等を残すは
 ずがなかったのである。
「無駄足だったか…」

 先輩ライダーである1号、2号、V3、ライダーマンの4人は国際犯罪組織を追っていた。どうやら
 ショッカーを影ながら援助していた組織がいる事が最近明らかになってきたのだ。その事は4
 人にまかせ、敬介はアマゾンを助けるためにゲドンの組織を倒す事としたのであった。まずは
 情報が必要だと思った敬介はわざわざここまで足を運んだのだが、とくにこれといって手がかり
 はつかめなかったのである。辺りを見渡しても、何かに役立ちそうな物等ありはしなかった。
「あるのは巨大な動物や虫の死体だけか……」
 それはゲドンが獣人に改造しようとして失敗した素体であった。そんな敬介の後ろに、一つの
 影が迫っていることをまだ敬介は気づいていなかった。

 影が迫っ敬介は基地から出て帰ろうとした瞬間である。
 突如たくさんの岩が敬介にむかって投げられたのであった。敬介はなんとかそれをかわし、
 岩が飛んできた方向を見た。そこには熊の形をした獣人が立っていたのである。
「貴様は何者だ!?ここでなにをしている!」
 鋭い眼光が敬介を睨みつけるが、敬介もその相手を睨み返す。そしてその声で獣人に向か
 って叫んだ。
「貴様達こそ何者だ!?見たところ、怪人とは少し違うようだが。」
 敬介は獣人とは戦ったこともなく、また、怪人の中でも特異な神話怪人や、悪人軍団の怪人
 等しか戦ったことがなかったのであった。

「怪人?しらんなぁ、俺はゲドンの獣人だ。この基地にあやしい奴が忍びこんだらかま
     わず殺せと十面鬼様に言われているのだ!」
 そう言って熊獣人は近くにあった岩を、恐るべき力で持ち上げ、敬介に向かって投げつけて
 きたのだ。敬介は地面に転がってその巨岩をかわし、熊獣人を睨みつけながら指差した。
「獣人だろうと怪人だろうと関係無い、悪は倒す!いくぞっ!」
 敬介は、坂道を下る勢いをつけて飛び込んできた熊獣人の突撃をかわし、大きくジャンプ、
 巨木の上へと登って、両手を上にあげた。
「いくぞお!大!変!身!とお!」
 ゆっくりと下げながら片手を斜めにのばした。これがXライダーの新しい変身ポーズである。敬
 介はその直後に跳躍、彼の体は銀色のボディとなり、地面に着地して、Xとなった敬介は熊
 獣人の攻撃を避け、熊獣人と対峙した。その仮面が日光があたり、光り輝く。

「なに!?まさか貴様!アマゾンライダーか!?」
 熊獣人はその銀の仮面に黒マフラー、赤い目の戦士をアマゾンライダーと勘違いした。実際
 は、アマゾンは緑色に特異な線が入った格好をしている。その戦士は1歩前に歩き、こう言っ
 たのである。
「違うな…俺は!」
 銀の仮面の戦士は岩の上に着地し、ライドルホイップを引き抜いた。
「Xライダー!!」
「エックスライダー!?何者だ…?」
「貴様に話す筋合いはない!とお!」
 Xはジャンプして1回転して着地、黒い腕から熊獣人の胸部にパンチを放ち、顎を蹴り上げ、
 腕をつかんで放り投げ、木にぶつけた。が、熊獣人は体が丈夫だったので、大したダメージ
 はなく、すぐに立ち上がって雄叫びをあげたのだ。

「くそ!死ね!ガアア!」
 熊獣人がその巨体にものをいわせた連続パンチを放ってくるが、Xはそれをよけながら、逆に
 熊獣人の顔面に跳び蹴りを食らわせた。熊獣人の牙にひびがはいり、Xはそこを集中的に
 攻撃を放った。
「X荒波チョップ!」
「ぐおおお!?」
 Xは荒波の如く連続で手刀を放つ、一発、二発、三発と熊獣人の牙が荒波に襲われる。そし
 て八発目で牙が折れ、更に九発目で顔面にチョップが入った。
「ぐおおおお!?」
 牙を折られ、熊獣人の口から、おびただしい量の血が流れ出て、熊獣人はもがき苦しむ。口
 元は既に真っ赤になっており、それを抑えている手もまた赤く染まっていた。地面には血が
 染み込むのではないかと思わせる程、大量の血が水たまりのようになってしまっていた。

「とおお!」
 Xは、熊獣人が膝をついて苦しんでいる所を脇をつかんで起きあがらせ、腹に連続パンチを
 くらわせ、背負い投げでほうりとばした。熊獣人の巨体が空を舞い、風船のようにゆっくりと空
 高く上昇して行った。
「よし!とおお!」
 そして自分も助走をつけながらジャンプ、銀のボディが風に乗り、空高く舞いあがった。
「X激流キック!」
 そして、激流のように、激しく叩き落ちる滝のように、Xは体をしならせながら一気にキックを
 熊獣人の背中に叩きつける。だが、体の硬い熊獣人は地面に激突しつつもまだ生きていた。
 Xは着地して、もだえていた熊獣人に尋ねた。
「どうした?獣人とはその程度のものなのか?」

 Xは余裕しゃくしゃくで熊獣人に尋ねる。熊獣人は悔しそうにしながら立ちあがった。その目
 は追い詰められた獣の目をしていた。獣人としてではなく、獣としての逃走本能が、彼をつき
 動かしているのである。
(手負いの獣ほど恐ろしい相手はいない…用心せねば…)
 さすがのXも、背中に悪寒を感じずにはいられなかった。―今までとは違う…そうXは肌で感
 じとっていた。目ではみえないが、熊獣人の体からは、殺気がビンビンと湧き上がっているの
 だ。ここまで逃走本能むきだしにした相手がかつていただろうか…Xはそう思ったのである。
「グルル……俺の必殺の爪攻撃をうけてみろ!」
 熊獣人は自分の身長の半分ほどの長さまでのばし、きりかかったが、Xはライドルホイップで
 うけとめ、ジャンプして距離をとり、ライドルロープで右腕をしばりつけた。

「ぐぉぉお!」
 Xが手を放すと、熊獣人は後ろに転倒し、その隙にXライダーは両手を上にあげた。Xライダ
 ーの赤い目が輝きを増し、あたかも爆発したかのようにエネルギーが湧き上がる。
「手加減なしだ!真空…地獄車ぁ!」
 Xは間合いをつめ、熊獣人を掴んだまま地面を縦に回転していく。空中へと放り投げた。
「エーックス!キィィック!」
 空中で失神状態だった熊獣人にはもうどうすることもできなかった。Xの強烈な一撃が決まり、
 熊獣人は血を吹き出しながら倒れこんだ。
「……」
 もうほとんど虫の息で、Xがとどめを刺すまでもなかったが、その防御力だけは評価に値した。
 Xは、その場から立ち去ろうと歩み始めた。熊獣人を背に、ゆっくりと歩いていくのであった。
 その背中は勝者の背中、威風堂々としており、威厳が漂っていた。

「ぐわあああ!?」
 突如として熊獣人の悲鳴がこだまし、辺りにいた鳥達が一斉に逃げ出す。Xも振りかえって
 後ろを見て、蜂の巣となっている熊獣人と、その先に立っていた人影を見つけた。
「何者だ!?」
 陰の主は、木陰からゆっくりと身を出てきて、奇妙な体をXの前に現した。
「おれは獅子奇怪人、無知な獣を殺すためにやってきたが…まさか仮面ライダーと
 遭遇することとなるとは……」
 その姿は機械で出来ているように思えた。そしてどことなく獣のようにもみえる。ライオンのたて
 がみとも言えるような形をしていた。Xは機械系の怪人とは戦ったことはない。強いて言えば
 巨大ロボットキングダークと戦ったくらいで、後は体全体が機械で出来ている怪人等との戦
 闘経験は1度もない。
「貴様!獣人ではないな!?どこの組織の者だ!」
「…ブラックサタン!」

 獅子奇怪人は右腕が拳銃、左手がサーベルとなっおり、サーベルでXにつきかかってきた。
 Xはライドルホイップで攻撃をしのぎ、一瞬の隙をついて獅子奇怪人の左腕を切り落とした。
「これでもう攻撃はできまい、諦めて降伏しろ!」
 Xがライドルホイップを、獅子奇怪人の喉もとに突きつけながら降伏を呼びかけた。が、獅子
 奇怪人は、不気味に嘲笑するだけであった。
「愚か者め!」
「なんだと!?」
 獅子奇怪人はXの腕を蹴って直後にジャンプ、反転して距離をとり、自ら肘のあたりまで腕を
 もぎ取り、腕の中から小さめの大砲が出てきた。
「なに!?そんな機能が貴様にあったのか…!?」
「我々は最強の怪人、奇怪人なのだ!!」

 獅子奇怪人の左腕の大砲から発射された砲弾がXに放たれる。
「くっ!」
 Xは必死に物陰に隠れたり、側転、ばく転したりして攻撃を必死に避ける。やがて砲撃が終
 わり、Xは、獅子奇怪人が大砲を撃ち終わったのを確認して、一気に攻撃に転じようとしたが
 突然放たれた拳銃の弾丸がXの体に直撃した。
「ぐわぁ!」
 倒れるXライダー、だが獅子奇怪人は攻撃の手を休めない。弾丸は、獅子奇怪人の右手の
 指から発射されたのだ。その連射を必死に避けるXだったが、やがて大砲の砲身が向けられ
 た。彼はそのままの体制で、Xライダーにあざ笑うような声で質問した。
「何故人間等に味方する?我々の仲間にならないか?貴様にはその資格がある。」
 Xライダーは、ボロボロの体をゆっくりと起きあがらせながら答えた。
「俺は父の作ったサイボーグ…いや、カイゾーグだ。父は今でも波の音に声をのせ、俺に語り
 かけてくれる…悪い奴等に負けるなと!……俺は戦う!人類の為に!」

  かけてくれる…悪い奴等に負けるなと!……俺は戦う!人類の為に!」
 獅子奇怪人の砲身がギラリと光り、真っ黒な砲弾が空を切り裂きながら突っ切って行った。
「もういい…死ね!Xライダー!」
 獅子奇怪人の大砲の弾がXに直撃し、Xは川の中へと吹っ飛ばされた。いくつもの水飛沫を
 舞い散らせながらゆっくりと銀色の戦士が湖に沈んでいった。
「フフフ、とどめを刺してやる!」
 獅子奇怪人は川の中に大砲を数発撃ちこんだ。水柱がたちあがり、ザァっという音が一瞬
 あたりに鳴り響き、空気が振動し、並の人間ならば鼓膜が破れるであろう程の轟音であった。
 …少し経ってからあたりは耳がいたくなるほど静かになった。動物達は逃げ去り、魚は死に
 絶え、残ったのは緑色の木々や草花だけであった。
「これだけ撃てば仮面ライダーは完全に死んだな…」

 獅子奇怪人は勝利を確信していた。高笑いをあげながら、自分が大幹部にでもなれると思っ
 ていたのだが、現実はそう甘くはなかった。獅子奇怪人は振りかえって帰ろうとしたのだが、
 後ろから彼を呼びとめる声があった。
「待て!ブラックサタンの怪人!Xライダーはこの程度ではやられんぞ!」」
 獅子奇怪人がふりむくと、少し離れた場所にXが立っていた。体はボロボロだが戦う意思は
 捨ててはいない。その銀色の仮面が太陽に逆行して輝きを増し、なんとも神々しい姿である。
 更に、その紅の目が、ギラリと獅子奇怪人を睨みつける。だが、彼は意識をやっとの思いで
 保っており、ほとんど逃走本能のみで体を動かしていた。
「銃を持った敵に負けるわけにはいかない……」

 突然Xはそんな事を言い出した。当然獅子奇怪人は困惑する。彼にはなんの事を言ってい
 るのかさっぱりわからない。
「?…なんの事だ!?」
 獅子奇怪人はそう叫んだのだが、その声もXライダーには聞こえていなかったようだ。彼の心
 は今、ここにはない。彼の脳裏に横切るのは、辛かった戦いの日々…父を失い、恋人を失い、
 その妹を失い…そして現われた最高のライバル。
「俺は…負けられない!とお!」
 Xはジャンプして1回転、獅子奇怪人の前方に着地し、ひねりをいれながらパンチを放った。
「甘いわ!」
 だが、獅子奇怪人にその腕をつかまれてしまった。
「くっ!とお!」
 だが反対の腕でめげずにパンチ、それもつかまれたが、膝蹴りで腹部にダメージを与えた。
 その黒い腕が風を斬り裂き、獅子奇怪人の胸部を連続で殴る。

「お…おのれえい!」
 獅子奇怪人は、胸の前で腕をクロスさせてパンチを防御、両手をつかんで空中に放り投げ
 た。が、Xは体を回転させながら上昇して行く。
「X竜巻キック!」
 そして、そのまま逆回転し始め、急降下しながら獅子奇怪人の鋼の体に竜巻キックを放つ。
 まさに、全てをのみこんでいく渦巻きの如く、獅子奇怪人の体を、風によって中心へと引き寄
 せる。その中心で、獅子奇怪人の体も回転し、Xのキックを食らう。
「ぐうう!?」
 獅子奇怪人は両腕をクロスさせて防御したが、数m後ろに吹っ飛び、更に上に重ねていた
 その攻撃によって、体全体のメカに負担がかかり、様々な場所で異常が発生しだした。
「ぐうう…死ねえ!Xライダアア!」
 獅子奇怪人の右腕から、狂気に染まった弾丸がXライダーを狙う。

「ライドルスティック!」
 獅子奇怪人は銃を乱射するが、Xはライドルスティックを回転させながら弾丸を弾く。風車の
 ように回転させられたそのライドルは、獅子奇怪人がはなった弾丸を全くかすりもさせなかった
 のである。やがて獅子奇怪人の弾がつき、煙だけが湧き上がる。
「そんな…こんなはずは!?」
「あいつは…こんなものではなかった!」
 Xの脳裏に赤く、マントを羽織い、盾と銃を持った改造人間の姿が思い浮かぶ。GOD秘密警
 察第一室長、アポロガイスト。Xライダーにとっては偉大なる好敵手である。1度破れても、甦
 り、幾度と無くXライダーと死闘を演じた相手…彼に打ち勝ったXライダーは、この程度の怪
 人に敗れ去るわけにはいかなかったのだ。彼の胸の奥から、ヒシヒシと闘志が込みあがる。
 ―あいつが生きていてこの状況をみたら…きっとこう言うだろう…
「お前はその程度か?Xライダー!」

「ライドルスティック!」
 獅子奇怪人は銃を乱射するが、Xはライドルスティックを回転させながら弾丸を弾く。風車の
 ように回転させられたそのライドルは、獅子奇怪人がはなった弾丸を全くかすりもさせなかった
 のである。やがて獅子奇怪人の弾がつき、煙だけが湧き上がる。
「そんな…こんなはずは!?」
「あいつは…こんなものではなかった!」
 Xの脳裏に赤く、マントを羽織い、盾と銃を持った改造人間の姿が思い浮かぶ。GOD秘密警
 察第一室長、アポロガイスト。Xライダーにとっては偉大なる好敵手である。1度破れても、甦
 り、幾度と無くXライダーと死闘を演じた相手…彼に打ち勝ったXライダーは、この程度の怪
 人に敗れ去るわけにはいかなかったのだ。彼の胸の奥から、ヒシヒシと闘志が込みあがる。
 ―あいつが生きていてこの状況をみたら…きっとこう言うだろう…
「お前はその程度か?Xライダー!」

 そしてXの脳裏には彼を育て、彼を改造した父親の顔が思い浮かぶ。自分の体は…父が残
 してくれた唯一の遺産なのだ。その遺産を彼は誇りに思い、そして…今また悪に立ち向かう。
 悪を憎む心を力と変えて…渾身の力をこめたXキックが獅子奇怪人の頭をふっとばした。
「がアアアアアア!?」
 獅子奇怪人は爆音を響かせながら消滅した。Xは着地してその残骸を見つめ、やがて神敬
 介の姿へと戻った。
「アマゾンには悪いが調べねばならない事ができたようだな…ブラックサタンか……」
 神敬介は日本をアマゾンにまかせる事に決め、自身は世界に根付く悪の根本を潰すため、
 アマゾンをあとにした。以降、彼はスペインを中心に悪の組織と戦いつづけ、やがて日本へ
 帰国する事になるのである。

 Xライダー神敬介はカイゾークである。父からもらったその力、その体はその彼の誇りである。
 父親の威厳と優しさ、そして誇りを胸に秘め、神敬介は今日も戦う。
 ゆけ!神敬介!負けるな!仮面ライダーX!!悪を根絶やしにするその日まで!!

【MKAS】
【筑波洋 スカイライダー】

【Back】

【MKASに戻る】

【仮面ライダー×ショートストーリーに戻る】

【鷹の保管所に戻る】
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送