仮面ライダー
【MKAS】
【山本大介 仮面ライダーアマゾン】

 ネオショッカーが発足してから、世界中にネオショッカーの基地が建造された。もちろんア
 マゾンのジャングルの中にも基地は建造されていた。だが、そんなネオショッカーと戦い密
 かにジャングルの平和を守る男がいた。
「うがああ!アーマーゾオオン!」
 仮面ライダーアマゾン、本名はあまり知られていないが、山本大介、日本人である。彼は幼
 い頃、偶然アマゾンにきてしまい、バゴーに育てられる事となる。彼が青年になった頃、十
 面鬼ゴルゴスが活動をはじめた。アマゾンはバゴーにアマゾンライダーへと手術を施され、
 日本へとわたったのである。マサヒコ少年、藤兵衛、モグラ獣人等に出会い日本語も覚え、
 十面鬼をたおしたアマゾンライダーだったが、新たにガランダー帝国が現われ、モグラ獣人
 も殺されてしまう。悲しみをのりこえ、アマゾンライダーはついにゼロ大帝を倒し、故郷である
 アマゾンの奥地へと帰っていった。故郷の自然をこわし、動物達を殺すネオショッカーを、
 彼は許さなかった。

「ケケー!」
 美しい自然が色濃く残る大アマゾン…そんな美しい大地を汚し、地球を血に染めようとする
 者達が、こんな所にもいた。ネオショッカーである。
「アマゾンだ!アマゾンライダーが来たぞ!」
 黒い、アリのような戦闘員、通称アリコマンド達緑の体に、赤い模様が入った戦士を一斉に
 囲む。物凄い速さで、黒い集団の中を、緑の戦士が黒い影を切り裂いて行くがの如く突き
 進む。その牙、その爪が、アリコマンド達を噛み砕き、斬り裂き、そしてまた跳ぶ。彼こそ仮
 面ライダー第6号である。人は彼をこう呼ぶ。「アマゾンライダー」と…
「がうぅぅぅ!」
 アマゾンライダーはその名の通り、集団で行動し、命令に忠実に働くありのような集団、アリ
 コマンド達をなぎ倒しながら、地下基地の中を突き進んで行った。目指すはとある大きな滝。
 ネオショッカーは、ゲドンやガランダーの技術を利用して、ジャングルの動物達を獣人として
 改造し、戦力として組みこもうとしていた。無論、以前よりも協力に、そして知能も発達した獣
 人を作る為である。

「ガウー!」
「とめろ!」
 アマゾンライダーに向かって、上から網が投げられ、アマゾンライダーはその網に絡まって、
 しばし動きを封じられたのであった。
「やっと取り押さえたか。よし、アリゲージン様の所まで連れて行くぞ。」
 アリコマンド達は網の端と端を持って網を持ち上げようとしたのだ。が…
「グウウ!」
「な!?馬鹿な!?」
 アマゾンライダーはその牙で網を噛み切り、爪で引き裂いて脱出、アリコマンド達3人に向か
 って、雄叫びを上げながら爪をうならせ、その体を十字に斬り裂き、倒した。
「ジャングラー!」
 そして、友達のジャングラーを呼んでそれにまたがり、横で流れている川の上流を目指して
 一気に走りあがって行ったのである。

「騒がしいな、何事だ?」
 ワニを捕獲し、檻の中へと入れる作業をしていたアリゲージンだったが、下流から聞こえてく
 る悲鳴、更に猛獣のような雄叫びが何度も耳に入り、気にはとめていた。それがどんどん上へ
 上へと近づいてきたのだから気味悪く思えたのである。
「ハッ…アマゾンライダーがジャングラーでここにむかっているのです。」
「なに?…アマゾンライダーはこことは全く別方向にいるはずだが…」
 アリゲージンは、アマゾンの行動を厳重に注意した結果、今日を選んで作業を行っていた。
 だから部下の報告が信じられなかったのだった。無理もない。万全の策をたてたはずだった
 のに、作戦がつつぬけであったのだ。
「何故だかはわかりませんが…」
「ええいもうよい!今日は引き上げるぞ!」
 アリコマンド達は檻に入れられたワニ達を持って、逃げ出そうとした。が、突然赤い獣が、草
 をかき分け、その場所へと侵入してきたのである。

「貴様!?」
「アマゾンライダーだ!」
 アマゾンライダーはジャングラーから降りて、ワニの檻を持っていたアリコマンド達をなぎ払い、
 ワニ達を檻から解放し、アリゲージンの方を向いた。その赤い目からは、ジャングルの仲間
 達を改造しようとした事による、怒りさも見えるようであった。
「許さん!」
「うるさい!こうなったら俺のこの牙で貴様を噛み砕いてやる!」
 ワニの姿をしたネオショッカーの怪人がライダーアマゾンに襲いかかった。大きく口を開き、アマ
 ゾンライダーを噛み砕こうとする。アマゾンライダーはそんな攻撃を恐れずに前に進む。彼の
 攻撃は進む事ばかりを考えていたのである。(それだけの実力があるのだが…)それは時に
 危険な事にもつながる事となるのだが、彼は自らが傷つく事を恐れないのである。
「しゃぁぁ!」

 アマゾンはアリゲージンのクチをふさぎ、膝で何発も腹に蹴りをいれ、なげとばし、ジャンプした。
 背鰭がゆれながらぐんぐん上昇し、日輪を背にして、一瞬輝いた。
「アマゾンキック!」
 そしてアマゾンキックを放ち、アリゲージンは顔面にもろにキックが直撃し、木にぶつかった。
「くそ!俺の牙爆弾を食らえ!」
 アリゲージンは牙をアマゾンに向かってとばしまくった。アマゾンは軽やかなステップで攻撃を
 かわし、一気に間合いをつめる。そしてアリゲージンの右腕に噛みついたのである。これには
 アリゲージンも驚いた。まさか自分が噛みつかれるとは思っても見なかったのである。

「ケケー!」
「ぐわああ!」
 アリゲージンは必死に左手で抵抗するが、右腕はアマゾンによってもぎ取られた。そしてアマ
 ゾンはジャンプ、腕を大きく振り上げ、勢い良くそれを振り下ろしたのである。
「大!切!断!」
 アマゾンライダーの必殺技、大切断によって、アリゲージンは顔を切り落とされ、よちよちと
 歩きながら川へと入って倒れ、やがてアリゲージンの体は爆発、つられて頭部も爆発した。
「ケケケケー!」
 アマゾンは勝利の雄叫びをあげた。彼はジャングルの平和を守りつづける。そして、そのジャ
 ングルもまた、彼を手助けするのであった。彼は動物の悲しみの声を聞き取り、いち早く作戦を
 察知して現場へと到着する事ができたのである。

 ネオショッカーとの戦いが激化していく中で、アマゾンは自分の故郷であるジャングルの中
 にはこびる悪を倒し、美しい大自然、たくましく生きる動物達の命を守っていた。スカイライダ
 ーを、他の6人ライダーと共に強化した後、彼と1号が全く日本へと帰国を果たせなかったの
 は、それぞれの滞在する場所での戦いが、激しくなりすぎたためであった。
「ガーウ!」
 アマゾン(山本大介)は、ターザンのようにつるからつるへ飛び移り、広大なジャングルの中
 を自由自在に行動する。日本では、藤兵衛、リツコ、マサヒコ、多くの友人に囲まれた生活
 をしていたものの、世間の偏見は、彼の純粋な心を大きく傷つけた。
「ケケー!」
 彼にはやはり、緑が広がるこのジャングルが肌にあう。友達と別れてでも、やはり彼は、この
 美しい自然が大好きなのだ。そして、そのジャングルを汚す悪を許さない。
 この美しいジャングルを調査する為に、一人の青年が足を運んでいた。
「ここが大アマゾンか…いい場所だ。」

 鈴木洋介、大学生であるが、この自然を研究するためにわざわざ足を運んだのであった。
「お!早速。」
 洋介は一羽の鳥を見つけて、それを写真に収めようとカメラをかまえた。
「ガーウ!」
「うわっ!?」
 突然の事であった。目の前にアマゾンが現れ、洋介は腰を抜かしてしまった。最初は洋介
 を睨んで唸り続けていたアマゾンであったが、ネオショッカーではなさそうな事を確認し、ゆ
 っくりと手を差し出した。
「すまない、俺のカンチガイだった。」
「に…日本人か?」
 洋介は、アマゾンの手を掴んで立ち上がった。ポンポンとズボンを払い、ジーッとアマゾンを
 不思議そうに見つめた。
(日本人みたいだが…まるでターザンだな。)

「俺、アマゾン。」
 アマゾンは、そんな洋介に、自分を紹介した。
「あ、ああ…俺は鈴木洋介、日本人だ。よろしく。」
 洋介は手を差し出したが、アマゾンは不思議な形に腕を組んで、洋介に向かってこう言った
 のであった。
大介「これ、俺の友達の証。」
「それが?そうか。」
 洋介もまた、同じように腕を組んで見せた。久しぶりに出会う人間、アマゾンは嬉しかった。
 遠い海の向こう側にある第2の故郷日本。そこに住むマサヒコやリツコ、藤兵衛、そして今、
 日本を守っているスカイライダーを始め、仮面ライダーを仲間達…たくさんの思い出がつま
 ったあの国に、いつかまた行ってみたいと、アマゾンは思ったのであった。
「俺はこのジャングルの動物達を観察したりしたいだけなんだ。」
「そうか。じゃあ俺が案内する。」
「ホント?じゃあお言葉にあまえるよ。」
 アマゾンは洋介を連れて、ジャングルの奥へと消えていったのであった。

 日本へと次々に送られていく怪人達、今日本に、アマゾンからも怪人が送られようとしてい
 た。超能力をもった少年に化ける怪人。アマゾンライダーも、その特異な能力に手をやいて
 いたのだった。
ド「では…」
 アリコマンド達に見送られ、1隻の貨物船が日本へ向け、青い海原を突き進んで行った。仮
 面ライダーを倒す為に…
「ようし、妥当アマゾンライダーだ。いくぞ!」
 そして、30cmはあろうかという牙をもった怪人が、その牙を光らせながら、アマゾンを倒す為
 に、黒い蟻を引き連れ、ジャングルの中を進んでいくのであった。

「お!凄いなここ!」
「ああ。」
 洋介は、綺麗にキラキラと光る水面に、そよそよとなびく木々、すいすいと泳ぐ魚達…そん
 な光景がひろがる場所へと案内されたのであった。

「このジャングルで一番綺麗な場所だ。」
「本当だな…俺、ここの事は秘密にするよ。動物達の写真だけ撮らせてもらう事にする。」
「ああ、そうしてくれ。」
 ここは汚れてはならない。洋介もそう思ったのである。美しい大自然は人間の心を安らかに
 するが、それを己が利益となしてしまう者も少なからずいるのだ。
「!ヨースケ!離れろ!」
 大介は洋介を突き飛ばした。
「うわっ!」
 次の瞬間、湖の中から無数の鱗が飛んできたのであった。それらはアマゾンと洋介が立っ
 ていた木に突き刺さり、大木は倒れ、鳥達が慌てて飛び立っていった。
「なんだ!?」
「ガウウ!」
 アマゾンは湖から上がってくる異形の生物に向かって吼えた。洋介はなにがなんだかわか
 らなかったが、ピタピタと音をたてながらアマゾンに歩み寄る生物に恐怖を感じているのは
 確かな事であった。

「アマゾン!貴様の命もここまでだ、やれぇい!」
 ピラニアーグの号令をきっかけにして、ターザンのようにロープを使い、アマゾンに飛びか
 かるアリコマンド達。
「ガウウ!」
 大介はまず、一人目のアリコマンドに跳び蹴りを放ち、倒れたそいつを持ち上げて違うア
 リコマンドに投げつけて数人を倒した。
「なんだ?なんなんだ?」
「ヨースケ!逃げろ!」
「逃がすかぁ!」
 ピラニアーグは洋介に今にも襲いかからんばかりの勢いだった。アマゾンは両腕をクロスさ
 せ、ジャングルに響き渡るくらい大きな声で叫んだのであった。
「アァァ!マアァァ!ゾォォン!」
 アマゾンの声が木霊し、彼の姿は光に一瞬包まれたかと思うと、次の瞬間にはアマゾンラ
 イダーへと変身を遂げていた。
「ま…まさか…マスクドライダー…いや仮面ライダー!?」

「コンドラー!」
 アマゾンライダーはベルトに収容されている万能武器、コンドラーを取り出してピラニアーグ
 の腕にからませた。
「ヨースケ!逃げろ!」
「わ、わかった!」
 洋介は通ってきた道をなんとか思い出し、命からがら逃げ出して行った。アリコマンド達は
 彼を追おうとせず、アマゾンライダーを囲み、棒を取り出して向かって行った。
「ガウウ!」
 だが、アマゾンはモンキーアタックで棒ごとアリコマンドの体を真っ二つに斬り裂き、ジャガ
 ーショックで頭を噛み砕いた。野獣の如き戦い方は、仮面ライダーと呼ぶには相応しくはな
 いかもしれない。だが、彼は紛れもなく仮面ライダーなのだ。正義の心をもった大自然の戦
 士、アマゾンライダーは怒りに燃えて怪人と対峙する。
「ニアー!貴様も今日で終わりだ!」
「このジャングルを、お前達には渡さない。ガーウ!」
 アマゾンライダーは跳躍して大切断の態勢に入ったが、ピラニアーグは牙を2本抜いて巨
 大化させ、二刀流のように牙を使い、大切断を受け止めたのであった。

「何!?」
「ニアー!」
 ピラニアーグはそのままアマゾンライダーを弾き返し、更に口を大きく開けた。
「牙弾丸、発射!」
 ピラニアーグの牙が次々と発射されては次々と生え変わり、数10本の牙が弾丸の嵐のよ
 うにアマゾンライダーを襲った。
「グウウ…!」
「ニアアア!」
 ピラニアーグは2本の牙でアマゾンの体を引き裂いた。流血するアマゾンライダーだが、カウ
 ンターでピラニアーグの胸部を斬り裂いた。
「ググ…面白い。」
「ウガアア!」
 アマゾンライダーは木の上に飛び乗り、すぐに跳躍して右足を伸ばした。
「アマゾンキック!」
 アマゾンキック、大切断では通じぬと思ったアマゾンライダーはキックで攻めようと考えた。

「ニアー!」
 アマゾンキックはピラニアーグの頭部に直撃、ピラニアーグは吹っ飛ばされたが起きあが
 った。不意一撃が入ったものの、この程度では怪人は倒せなかった。かといって大切断が
 通用しないのはわかっている。
「ニアー!」
 ピラニアーグは大空高く舞いあがり、手に持った牙でアマゾンを串ざしにしようとした。
「ケケー!」
 アマゾンはそれに呼応し、体を高速で回転させながら上昇して行った。木枯らしのごとく風
 を撒き散らしながらピラニアーグとぶつかりあうのだった。
「スピンキック!」
「なにぃ!?」
 ピラニアーグの牙は粉々に砕け散った。回転によって威力を増加されたキックが、ドリルの
 ように牙を粉砕したのだ。

「ジャングラー!」
 アマゾンはその隙を逃さなかった。アマゾンに呼び寄せられたジャングラーからガガの腕輪
 が発射され、彼はそれを自分の腕に装着されているギギの腕輪と合体させる。
「スウウゥウパアアァァ!大切断!」
 アマゾンの背鰭が激しく動き、彼はその黒い腕を大きく振り上げ、ピラニアーグの体を真っ
 二つに斬り裂いたのであった。
「ギャアアアア!?」
 木っ端微塵に爆発するピラニアーグ。彼の最新の技術で作られた体も、友を思い、大自然
 を思う純粋な心には勝てなかったのであった。
「ケケケー!!」
 アマゾンライダーの勝利の雄叫びは、ジャングル中に響き渡ったのであった。

「君は…仮面ライダーだったんだね。」
「ああ、俺、アマゾンライダー。」
「アマゾンライダー、いつかまた俺はここに来るよ。」
「待ってるぞヨースケ。」
 アマゾンと洋介は、友達の証である行動、腕を組んで見せた。変わらぬ友情を誓い合い、ア
 マゾンはまた一人の友人と出会い、別れたのだった。
「…マサヒコ。」
 彼は多くの人と出会い、別れた。いつかまた、世界中が平和になった時、彼は第2の故郷
 へと戻って行くだろう。大切な”友達”のところへと…
 空を切り裂き、山をぶち抜くアマゾンライダー。未知の力をもつ2つの腕輪と、他のライダー
 にはない戦い方で悪を許さず戦いつづける。
 走れジャングラー!戦え、アマゾンライダー!大切な友を守る為に…

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【一文字隼人 仮面ライダー2号】

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